一度却下された企画が実現? 『絶対零度』プロデューサーが明かす、シリーズ3作目の誕生秘話
「より良いものを作るためにジタバタできる余地がある」
――稲葉さんは、映画のプロデュースをこれまで多く手掛けていますが、今回担当しているドラマならではの楽しさや、やりがいを感じるところはどこでしょうか?
稲葉:視聴者の方々の反応を見ながら、それを作品に反映できるということですかね。映画は完成して封切ってしまったら、それができないですから。あと、現場でキャストやスタッフとやり取りしていく中で発見や気づかされることが多々あります。そうしたことも作品に反映させることができる。つまり、より良いものを作るためにジタバタできる余地があるんです。後半に向けてキャラクターがだんだん面白くなってきたりすることがありますが、それは制作者も役者もその役において進化していっているからなんだと思います。
――“月9”としては、視聴率も先週の第5話は10.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好調ですが、その理由をどう考えていますか?
稲葉:スタッフやキャストみんなが頑張っているからということに尽きます。手を抜かずに、みんなが頑張っていて、毎週の1時間にそのエネルギーが詰まっているからだと思うんです。1時間の中で二転三転する脚本を作るために脚本家もプロデューサーも苦しみながらやっている。事件モノなので演出部や美術さんも用意する物が多いし、ロケ地も多岐に渡るから制作部も大変。キャストのみなさんだって、猛暑の中での撮影の合間を縫って何時間もアクションの練習をしているんです。先ほどお話した本田さんなんか、汗だくで3~4時間くらい練習した後に「もう1時間やります」なんて言ってたりして。「え~! 7話もアクションあるの!?」とか口では言いながら、実は陰で努力していて、モデルの仕事大丈夫ですか? っていうくらい体中アザだらけになってやっているんです。それが涙ぐましかったり。やっぱり、そうやってスタッフやキャストみんなが「面白いドラマをつくりたい!」と頑張っているエネルギーが、この作品に宿り、それが視聴者のみなさんにも伝わっているのではないかと。
――最後に、今後の見どころについて教えてください。
稲葉:第6話は未然に犯罪を防ぐ話ではなく、第2話、第3話、第5話と3件連続して起きているミハンに絡む不審死について、犯人が明らかにされるところまで描かれます。捜査一課も動き出すので、それはミハン解散の危機だったりもします。なので「最終回じゃないですか!」というくらいの盛り上がりを見せると思います。前半戦の山場となる回なので、犯人を予想しながら楽しんでいただければと思います。
(取材・文=大和田茉椰)
■番組情報
『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:沢村一樹、横山裕、本田翼、柄本時生、マギー、田中道子、平田満、伊藤淳史、上戸彩(特別出演)
企画:稲葉直人
プロデューサー:永井麗子(共同テレビ)
脚本:浜田秀哉、小山正太、井上聖司
演出:佐藤祐市、城宝秀則、光野道夫
制作:フジテレビ
制作著作:共同テレビ
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/zettaireido/