波瑠はいかにして主体性を取り戻すのか? 『サバイバル・ウェディング』のメッセージを紐解く

『サバ婚』のメッセージを紐解く

 和也としっかりと付き合っていた頃の彼女は、和也が婦人警官のコスプレを見たいと言えば、言われた通りにコスプレ姿になっていた。しかし、それは宇佐美の言葉を借りれば、“ニーズに応え”ていたのではなく、“言いなり”になっていただけに過ぎないのだ。宇佐美流に自分を市場に出すに際して、単なる“モノやサービス”としての商品に成り下がってはいけない。まず何より、自分が自分自身のことを好きになって、愛せるような、そんな存在であることが重要なのだ。第2話でネガティブな感情に駆られるさやかに対して、宇佐美がルイ・ヴィトンのエピソードを持ち出して「自分を愛せ。俺みたいにな」という台詞は、実はとても正鵠を射ていたメッセージなのであろう。ルイ・ヴィトンは過去に安売りセールに踏み切ったことはなかった。それは自社の製品を愛しているからできることなのだとか。

 第1話から宇佐美がさやかに望んでいることは、恋愛における“主体性と自信の回復”のように感じられる。「聞くだけじゃなくて実際に見ろ。見るだけじゃなく考えろ。考えるだけじゃなく行動しろ。そして、行動するだけじゃなくて成果を出せ」。男性の需要に一つひとつ応えて言いなりになるばかりではなく、逆に男性が自然とついてくるように、需要を創出するくらいになること。そうすることで、宇佐美がいなくても、今後さやかが自分らしくいられることを期待しているのだろう。

(文=國重駿平)

■放送情報
『サバイバル・ウェディング』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00~放送
出演:波瑠、伊勢谷友介、吉沢亮、高橋メアリージュン、ブルゾンちえみ、前野朋哉、小越勇輝、奈緒、石田ニコル、ついひじ杏奈、山根和馬、風間俊介、須藤理彩、野間口徹、生瀬勝久、財前直見、荒川良々
脚本:衛藤凛
原作:『SURVIVAL WEDDING(サバイバル・ウェディング)』大橋弘祐著(文響社)
音楽:木村秀彬
出演:佐藤東弥
プロデューサー:鈴間広枝、大倉寛子
制作協力:日テレアネックスオン
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/survival-wedding/

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