サイモン・ペッグが語る、『M:I』ベンジーが愛される理由 「観客が思っていることを代弁している」

『M:I 6』サイモン・ペッグインタビュー

「トムには“フィルムメーカー”という言葉がぴったり」

ーーブライアン・デ・パルマ、ジョン・ウー、J・J・エイブラムス、ブラッド・バードと錚々たる監督陣がメガホンを取ってきたこのシリーズですが、前作『ローグ・ネイション』で監督を務めたクリストファー・マッカリーがシリーズで初めて監督を続投しているのも大きなトピックですね。

ペッグ:僕はクリスと仕事をするのが好きだから、また彼と一緒にできると聞いてすごく嬉しかったんだ。監督としても脚本家としても本当に素晴らしい人だからね。フィルムメーカーとして全ての過程をしっかりと見ることのできるできるすごい人だよ。だから、前作の時点で彼が次の作品でも監督を続投することはある程度想定していたんだ。クリスとトム(・クルーズ)には彼ら独特のリズムがある。2人の信頼関係は本当に素晴らしいし、クリスは誰よりもトムのことを信頼しているからね。何の疑いもなかったよ。ただ、もしまた次回作があった際にクリスが監督を続投するかどうかはわからない。ストレスもかかるし、非常に長い時間を費やす仕事だから。僕としてはもちろんまたクリスに戻ってきてほしいけどね。

ーー『ショーン・オブ・ザ・デッド』や『スター・トレック BEYOND』などで脚本家としても活躍しているあなたにとって、脚本家としてのクリストファー・マッカリーはどのような存在でしょうか?

ペッグ:クリスは『ユージュアル・サスペクツ』でアカデミー賞脚本賞を受賞した経験もあるし、脚本家としてもすごく尊敬しているんだ。構成や物語、キャラクターを作り上げる達人だね。自分が出演している映画の脚本に対して、時には「僕の方がうまくできるかもしれないな」と思ってしまうこともあるんだけど(笑)、クリスの場合は全くそんなことはない。次は一体どうなるんだろうと毎回ワクワクさせられるんだ。今回は完成した脚本はなくて、撮影をしながら脚本が生まれていくという状況だったんだけど、クリスはそういうプレッシャーの中で仕事を進めていくと、さらに力が発揮されるタイプだったね。

ーートム・クルーズとは今回4度目のタッグとなりましたが、役者として、そしてプロデューサーとしての彼の魅力を教えてください。

ペッグ:役者、プロデューサーというよりは、トムには“フィルムメーカー”という言葉がぴったりなんだ。クレジットとしては主演と製作ということになるわけだけれど、脚本に対してのアイデアをはじめ、映画製作の過程において、それ以外のこともたくさんやっているからね。とはいえ今回は、役者としてのトム・クルーズの顔から、製作者としてのトム・クルーズの顔にハッキリと変わった瞬間があったのは事実だね。

ーーそれはどのタイミングだったんでしょう?

ペッグ:ノースタントでトムがビルの屋上からジャンプして、壁面に激突して骨折したときだよ。それまでは役者として撮影に臨んでいたトムだったけど、骨折したことがわかった瞬間に、撮影が中断してしまうこと、製作期間が長引いてしまうことなどを考えて、必死で体を動かしてそのシーンの撮影を終わらせたんだ。僕は普段、トムを役者とかプロデューサーとか区別して見たことはなかったけど、そのときが唯一だったね。トムは本当にものすごいフィルムメーカーだよ。

(取材・文・写真=宮川翔)

■公開情報
『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』
8月3日(金)より全国公開
出演:トム・クルーズ、サイモン・ペッグ、ヴィング・レイムス、レベッカ・ファーガソン、アレック・ボールドウィン、ミシェル・モナハン、ヘンリー・カヴィル、ヴァネッサ・カービー、ショーン・ハリス、アンジェラ・バセットほか
監督・製作・脚本:クリストファー・マッカリー
製作:J・J・エイブラムス、トム・クルーズ
配給:東和ピクチャーズ
(c)2018 Paramount Pictures. All rights reserved.
公式サイト:http://missionimpossible.jp/

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