『インクレディブル・ファミリー』プロデューサーを直撃! 14年ぶりに帰ってきた理由を聞く

『インクレディブル・ファミリー』プロデューサーを直撃! 14年ぶりに帰ってきた理由を聞く

ーーそんな経緯が……(笑)。新しい発見がある本作でしたが、その中に14年間温めてきたアイデアもあったのでしょうか?

ウォーカー:末っ子ジャック・ジャックがアライグマと闘うシーンがそうだよ。あそこは、おもしろいし笑えるし奇妙だから1作目に入れたかったんだけれど、残念ながらハマるところがなかった。『Mr.インクレディブル』の時に続編の予定はなかったんだけれど、「2作目ができたら絶対に入れよう」と言っていたんだ。だから今回、一番最初に作ったシーンの1つがあのシーンなんだ。

ーージャック・ジャックのスーパーパワーが8つもあって驚きました。

ウォーカー:『インクレディブル・ファミリー』のスーパーパワーはランダムに振り分けられているわけではなくて、ちゃんとキャラクターや家族の役割と関わっているんだ。ボブは、父親で力が強いという意味で怪力。ヘレンは3人の小さい子供の母親で、あちこちに手を伸ばさなければいけないからゴム人間。ヴァイオレットは13歳の女の子で、ティーンエイジャーなので精神的に不安定。だから人前から消えたいとか、人との間にバリアが欲しいと願ってしまうことから、鉄壁バリアガールに。ダッシュは10歳のハイパーアクティブな男の子なのであちこち駆け回っているんだ。それを踏まえて、ジャック・ジャックのスーパーパワーは赤ちゃんだから可能性が無限大なところからきている。ジャック・ジャックは、将来大統領になる可能性もあるし、とんでもない狂人になってしまうかもしれない。赤ちゃんは高いポテンシャルを持っているから、最初は力がなかったけれども、途中から複数の無尽蔵のパワーが身につくんだ。そのパワーは年とともに消えていってしまうかもしれないし、いくつか残るかもしれない。それはどうなるかはわからないよね。各キャラクターが年を取るとスーパーパーワーとの関連性がなくなってしまうから、僕たちは彼らに年を取ってほしくなかったんだ。続編を第1作目の直後から始めたのは、その理由もあるんだよ。スーパーパワーの持つ比喩的な意味をキープしたかったんだ。

ーー実写では不可能なアニメーションならではの力ですね。

ウォーカー:そう、その通りなんだ。スーパーパワーを保つ意味もあったし、アニメだとできてしまうから時系列をそのままに物語を再スタートさせたんだ。

ーー新作とは言え、『007』を彷彿させる音楽含めどこか“懐かしさ”も本作には含まれています。

ウォーカー:時代設定は1作目と同じで、1960年〜1962年あたりの人たちが想像したであろう未来をコンセプトにした街が舞台になっているんだ。ミッドセンチュリー調の建物があったり、今とは違う50年代風のワイドスクリーンテレビが登場したりする。この作品にスマートフォンは一切出てこない。けれど、iPadは出てくるんだ。ただiPadに似たものは1作目から登場していたんだよね、2004年の作品なのに。だから僕たちはスティーブ・ジョブズが『Mr.インクレディブル』を見て、iPadのアイデアを浮かべたに違いないって言っているんだ(笑)。ボブたちの住むウエストバーグの場所は不明だし、いつの時代に住んでいるかも作品の中では描かれていない。それでも懐かしさを感じるのは、60年台風のデザインやジョン・バリーやラロ・シフリンのような映画音楽を使っているからだろうね。実際に第1作目では、当時80歳後半だったジョン・バリーを起用した。「『007』のような音楽が欲しい」と言ったら、彼が「35年もやっているからすぐ書けるよ!」って言ってくれたんだ。ところが、その後1年半も一緒に仕事をしたのに全然書き上げてくれなくて(笑)。多分やりたくなかったんじゃないかな(笑)。仕方ないから降板してもらって、マイケル・ジアッキーノを起用した。でも、もうその頃には予算が残っていなかった。マイケル・ジアッキーノは初めて映画音楽を手掛けることもあって、実はギャラが安かったんだよね。それでも良い作曲家というのはわかっていたからお願いしたんだよ。ノスタルジーな雰囲気の60年代のエッセンスを詰め込んだ作品ではあるんだけど、きっと君は25歳前後だろう? それでも、この雰囲気を“懐かしい”と感じるのはおもしろいね(笑)。

(取材・文・写真=阿部桜子)

■公開情報
『インクレディブル・ファミリー』
8月1日(水)全国ロードショー
監督:ブラッド・バード
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(c)2018 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
公式サイト:disney.jp/incredible

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