『花のち晴れ』四角関係が終息し、再び三角関係に? 家族に縛られた天馬、音、晴の恋愛観
馳天馬(中川大志)が、やってしまった。
今回の天馬の行動は、常に周囲に気を配り、物事に冷静に対処する彼の性格を考えれば当然ではあったが、天馬と過ごす時間に幸せを感じるようになっていた江戸川音(杉咲花)の気持ちをしぼませてしまった。
メグリン(飯豊まりえ)のバースデイ・パーティでケーキが爆発した第8話に続き、音が夜道で何者かに襲われるという事件が起きた『花のち晴れ~花男 Next Season~』第9話。この事件により、うまくいっていたはずの天馬と音の関係にほころびが生じはじめた。
後日、天馬は音から、自分を襲った犯人を裏で操っていたのは天馬を慕う近衛仁(嘉島陸)だと聞かされるが、激昂する音と事件の関与を否定する近衛との狭間で動揺しながら、天馬は音に「何かの見間違いじゃないかな?」と返してしまう。
ふだんは約束を守らないのに、誕生日など大切な日だけは忘れずに祝ってくれる。落ち込んでいるとき、ふいに電話をかけてきてくれる。たとえそれが単なる気まぐれや偶然であったとしても、そんな相手は許せてしまったり、運命的な何かを感じてしまったりする。人間関係、とりわけ恋愛では、地道に積み重ねた優しさや誠実さ以上に、タイミングやポイントを外さない絶妙な言動に心を動かされてしまうことがよくある。
恋人である音が犯人は近衛だと主張しているのに、友人の近衛を疑えるわけはなく、音の証言を鵜呑みにできなかった天馬。一連の出来事を知った神楽木晴(平野紫耀)から「好きな女の言っていること信じなくてどうするんだよ!」と詰められた天馬は、横にいる近衛を気にしながら「音を信じていないわけじゃない」と弱々しく反論。音は天馬の反応に、天馬にとって自分は近衛以下の存在だったのだと思うようになる(以前、天馬が英徳に5000万円寄付してくれたのは忘れてしまったようだ)。さらに、自分が天馬に望んでいた言葉を晴にピタリと言い当てられたことで、一気に晴に気持ちが傾いてしまう。
天馬と音は付き合いはじめ、また、晴とメグリンも“彼女(仮)”の(仮)が取れてカップルとなっていた。しかし、天馬もメグリンも好きな人のそばにいられる幸せを噛みしめつつも、自分たちの関係に自信が持てず相手の顔色をうかがってしまっていて、第9話の天馬は特にそれが顕著で、終始不安げな表情を浮かべていた。