帰国から2年、『ゼニガタ』でスクリーンデビュー! 大谷亮平が語る、俳優として格別の喜び

大谷亮平が語る、俳優として格別の喜び

「渋川清彦さんは僕の中でラスボス的な存在」

ーー本作はキャスティングも大きな魅力のひとつです。現場はどうでした?

大谷:富男は居酒屋にいることが多かったんですが、あの居酒屋は、照明が点いていても、なんだかどんよりとしているんです。それがこの映画のテイストを体現しているなと感じていたし、みんなで遊ぶような雰囲気ではなかったですね(笑)。でも小林且弥くん(銭形静香役)と、田中俊介くん(剣持八雲役)とは役柄上で重要な関係性ですし、積極的にコミュニケーションを取るようにしました。あんまりワイワイするメンバーではないので、役についてだったり、プライベートの話をしたり、特に小林くんとは一つ前の作品で一緒に撮影をしていたので、「また一緒にやれて良かったね」と話しました。

ーー本作で重要な役どころを演じた、小林さんや渋川清彦(磯ケ谷剣役)さんは、この手の“アウトロー系”のキャラクターを多く演じている印象です。

大谷:渋川さんとは僕が日本でデビューした作品でご一緒していたんです。そのときは柔らかい役を演じられていたので、僕の中では柔らかいイメージでした。今回の共演シーンはほとんど最後だけなのですが、撮影時にスーツをびしっと着て、部下役の方々を引き連れて入ってきたときはさすがの貫禄でしたね。「ついに来たか……」と、僕の中ではラスボス的な存在でした。でも、「ここでしっかり闘わないといけない」というシーンだったので、渋川さんに対して抱いてしまった、「おお!」という気持ちを出さないように努めました。これがこの映画で一番大変なところでしたね。なので先程お話した、感情を表に出してはいけないという感覚は、ここでメーターが一気に上がっていました。

「ああ、日本でやってるんだ」

ーー韓国での芸能活動開始が2003年で、すでに15年のキャリアがありますが、日本での活動はまだ2年です。日本の作品で現場に入るときの心境はどんなものでしょう。

大谷:この2年でいろいろな作品に参加させてもらったので、やっと慣れてきたかなという思いです。ソウルに行く前から知っていた方々と共演するのは不思議な気持ちでしたし、そういう意味では、最初は素人感覚で現場に入っていったところがあります。また、撮影現場で皆が日本語でコミュニケーションを取っているというのも、当たり前のことなはずなのにどこか不思議に感じていました。分からない撮影用語がいくつもありましたし、日常生活を含め、僕がいない間にいろんな言葉が新しく生まれていて。そんな中、良い役ばかりいただいていたので、なんとか対応して乗り越えてきました。でも今でもふと、「ああ、日本でやってるんだ」と思うときがあります。

ーー日本で活動を再開した当初は緊張することも?

大谷:日本に来た当初はありました。最初の作品の一番初めのシーンが、福山雅治さんとの共演だったのですが、当時の僕は「割本」(撮影当日のシーンのみを抜粋して作った本)というものを知らなくて、いざ撮影に入ってみたらセリフが変わっていたんです。撮影当日に割本をチェックするのが当たり前であることを知らなくて。そもそも福山さんと共演するということだけで頭の中がいっぱいだったので、テンパりました。

ーー俳優活動をやっていて、韓国と日本での現場の違いはありますか?

大谷:韓国で出演した映画は数本だけなのですが、規模がちょっと違うものだったんです。僕が参加したのはドラマばかりだったので、なかなか比較するのは難しいですね。でもこの作品って、ちょっと韓国映画っぽい雰囲気があるんです。最近の日本ではあまりないテイストの作品じゃないかなと思います。韓国と日本の現場の違いみたいなことではないのですが、僕が韓国で生活してきた経験が、自然とこの作品に反映されている部分もあるのかなとは思います。

ーー韓国映画ファンの方も楽しんでくれそうですよね。

大谷:だと嬉しいですね。いま韓国では居酒屋ブームなんですよ。“日本の居酒屋風”の飲み屋さんが多いんです。メニューも木板に書いてあるものがあったりして。でも実際にはそのメニューの商品は置いていない。メニューはただの飾りなんです。でもそうやって、韓国の人たちは日本の居酒屋にすごく関心があるので、面白いですよね。

(取材・文・写真=折田侑駿)

■公開情報
『ゼニガタ』
シネマート新宿ほか全国上映中
出演:大谷亮平、小林且弥、佐津川愛美、田中俊介、玉城裕規、岩谷健司、松浦祐也、八木アリサ、えんどぅ、土田拓海、吉原雅斗、安達祐実、升毅、渋川清彦
監督:綾部真弥
製作:永森裕二、坂本敏明、大石菊弘
企画・脚本:永森裕二
プロデューサー:岩淵規、小河原修
主題歌:「Volcano」TSUKEMEN(キングレコード)
配給:AMGエンタテインメント、スターキャット
(c)2018「ゼニガタ」製作委員会
公式サイト:http://zenigata-movie.com/

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<応募締切>
6月3日(日)

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