渡辺謙演じる島津斉彬、まさかの“ナレ死”が話題に 『西郷どん』鈴木亮平と魂のぶつかり合い
島津斉彬(渡辺謙)がまもなく亡くなるというのは史実からも明らかであり、タイトルが「殿の死」であったことから、視聴者のほとんどが今回の『西郷どん』(NHK総合)第15回の放送を観るに当たっては、覚悟を持って彼の死を身構えていたことだろう。
第1回より、本ドラマの最重要人物として描かれてきた斉彬だったが、ナレーション上で死亡したことが語られる、まさかの“ナレ死”という事態に、Twitter上では多くの驚きの声が挙がっている。『西郷どん』の公式サイトには、渡辺謙の本ドラマとしては最後と思われるインタビューが掲載されており、そこでは彼の唐突な死について「おそらくそれは西郷の感覚でもあるだろうし、ドラマを観ているお客さんにとっても、ナレーションだけで『え?え?えーっ!?』って思うくらいの最期にしたいと思ったんですね」と渡辺と演出家とが相談した上でのシーンだったことが明かされている。
そこにあったのは、渡辺が島津斉彬という人物を演じた上で感じた、「時代を見据えた上での焦燥感」「急な坂道を上っている途中でプツンと切れるような終わり」。銃声と砲撃の音に囲まれながら死を遂げるラストは、“天狗”として吉之助らの前に初めて現れたシーンを思い起こさせた。
4月1日に放送された『「西郷どん」スペシャル ~鈴木亮平×渡辺謙の120日~』(NHK総合)でも先行して公開されていた「今から、お前はわしになれ」と、斉彬が吉之助(鈴木亮平)へと魂を継承する場面は、2人にとっての最後のシーンであり、とてつもない熱量を帯びた、まさに演技と演技のぶつかり合いだった。