清々しいにも程がある! 永野芽郁×星野源『半分、青い。』オープニング、朝ドラに革命起こす
電気が走るような衝撃を覚えた。4月2日から始まったNHK連続テレビ小説第98作目『半分、青い。』。永野芽郁演じるヒロイン・楡野鈴愛(にれのすずめ)が高度経済成長の終わりから現代までを七転八倒で駆け巡る本作だが、くろやなぎてっぺい氏が手掛けたオープニングもといタイトルバックはそれだけで作品として完成されている。
主人公を幼少期からではなく胎児から描く異例の朝ドラとして放送前から注目を集めているが、その設定のみならず本作のタイトルバックは良い意味で朝ドラっぽくない。朝ドラのタイトルバックといえば『わろてんか』『べっぴんさん』『とと姉ちゃん』などを思い返しても、イラストと主人公の融合がこれまで多かった。スローテンポな楽曲が起用され、寝起きを邪魔しない優しい演出でドラマの幕を開けていく。
もちろん、『ひよっこ』では主人公・有村架純なしで田中達也氏によるミニチュア、『あまちゃん』では主題歌を使わず岩手県の町並みを中心とした映像など、これまで“あるある”から逸れたタイトルバックはあったが、優しさという意味での“朝ドラらしさ”というのは少なからずあったように思う。しかし『半分、青い。』からは、カーテンをシャッと開けるようなインパクトと民放ドラマの雰囲気すら覚える。
星野源による楽曲「アイデア」をバックにテーマカラーの青を基調とした映像が、永野のパッと明るい笑顔とともに繰り広げられるタイトルバック。一度『真田丸』(NHK)で父娘役として星野と共演したことのある永野は、第1週完成披露試写会で「なんとなく『半分、青い』、源さんだったらいいなと言っていたので、そんなことあるんだと思って……」と喜びを語っていたが、映像としての永野と音としての星野の2人の相性は抜群。歌い出しのドラムのハイハットと星野のやわらかい歌声は、ふんわりしながらもパッと明るい永野の笑顔と似ており、眠い目をこすり、朝にくすぶっている視聴者の手を取り、太陽の元へ引っ張っていくようだ。