『海月姫』第3話、要潤らが放つ“強烈なインパクト”に注目 『べっぴんさん』を彷彿させるシーンも
それはそうと、今回のメインプロットではクラゲのドレスを作るため、鯉淵家に無理やり月海を連れて行くという“ドナドナ”的展開が見られた。その直前のシーンで、急にひらめいて黙々とドレスに加工を施して行く様子や、仲間の家で衣服を作り出す光景からは芳根の代表作である『べっぴんさん』(NHK)での一幕を思い出してしまう。同作では、戦後の物資が少ない中で、芳根演じるすみれが結婚式で着たドレスを使ってベビー用品を作り上げた。今度は正反対に、一反の白い布から煌びやかで美しいドレスを作り出すのだ。
クラゲへの想いがドレスに還元されて没頭していく月海の姿は、“オタク”女子の風貌をしたままでも充分すぎるほど魅力的に映し出される。そしてもちろん、今回も修とのデートの場面で見せる、シンデレラ的な変身は見どころのひとつである。しっかりと着飾りながらも、裸眼で目を細めながらスワンボートを見つめる表情と、おしゃれなレストランでクラゲについて語り始めるギャップが、ユーモラスに活かされていた。
■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter
■放送情報
『海月姫』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00放送
出演:芳根京子、瀬戸康史、工藤阿須加ほか
原作:東村アキコ『海月姫』(講談社『Kiss』所載)
脚本:徳永友一
編成企画:渡辺恒也
プロデュース:小林宙
演出:石川淳一
制作:フジテレビ/共同テレビ
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/kuragehime/