キャラが抱える悩みに共感 『映画 中二病でも恋がしたい!』が女性にこそ観てほしいワケ
この六花の悩みは、2期で七宮智音が「恋を取るか中二病を取るか」で迷い、最終的には恋を諦めて中二病を貫き通すことを選んだ時と同じ性質のものだ。中二病に限らずとも、「恋愛を取るか◯◯を取るか」という二択で悩んだ経験は、多くの人にもあるだろう。実際、筆者も本作を観ていて、「恋か自分のやりたいことか」という選択を迫られた過去のしょっぱい経験を思い出した。だからこそ、年齢は違えど、六花や七宮の心の揺らぎには大いに共感できるのだ。
さらに、たとえば「恋か仕事か」という二択を迫られるのも、女性の方が圧倒的に多いだろう。実際に「恋か仕事か」というキーワードでネット検索をかけてみても、上位を占めるのはほぼすべて女性向けの記事だ。
『中二病でも恋がしたい!』の登場人物には女性キャラが多いため、男性向けアニメだと敬遠している女性も多いのかもしれない。だが、女性キャラたちが抱える悩みは、同性から見てもとてもリアルだ。六花が最終的に恋と中二病、どちらを選んだかはここではあえて言及しないでおくが、「恋か◯◯か」という二択に悩む女性には、ぜひ本作を観てほしい。
※赤崎千夏の「崎」は「たつさき」が正式表記
■まにょ
ライター(元ミュージシャン)。1989年、東京生まれ。早大文学部美術史コース卒。インストガールズバンド「虚弱。」でドラムを担当し、2012年には1stアルバムで全国デビュー。現在はカルチャー系ライターとして、各所で執筆中。好物はガンアクションアニメ。Twitter
■公開情報
『映画 中二病でも恋がしたい! -Take On Me-』
現在公開中
出演:福山潤、内田真礼、赤崎千夏、浅倉杏美、上坂すみれ
監督:石原立也
原作:虎虎(KAエスマ文庫/京都アニメーション)
脚本:花田十輝
キャラクターデザイン:池田和美
美術監督: 篠原睦雄
色彩設計:竹田明代
設定:高橋博行
撮影監督:浦彰宏
3D監督:山本倫
音響監督:鶴岡陽太
音楽:虹音
主題歌アーティスト: ZAQ
アニメーション制作:京都アニメーション
製作:中二病でも製作委員会
配給:松竹
(c)虎虎/京都アニメーション/中二病でも製作委員会
公式サイト:http://www.anime-chu-2.com/