「週末映画館でこれ観よう!」今週の編集部オススメ映画は『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』『ザ・サークル』

編集部の週末オススメ映画(11月10日~)

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、編集スタッフ2人がそれぞれのイチオシ作品をプッシュします。

 『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』

 最近、韓国でポンデギという昆虫料理を食べてきました。栄養満点らしいですよ! そんなティッシュ松田がオススメするのは、明日11日より公開される『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』。

 『HiGH&LOW』は、リアルとファンタジーがコラボした世界観で、映画、ドラマ、動画配信、コミック、SNS、アルバム、ライブなど、あらゆるメディアを巻き込んだ総合エンタテインメント・プロジェクト。いよいよシリーズ最終章となる本作では、政府と裏でつながりSWORD地区にカジノ建設を目論む九龍グループに、我らがSWORDの面々が直接対決を挑みます。岩ちゃんこと岩田剛典演じる山王連合会のリーダー・コブラが、岩城滉一演じる黒崎会会長・黒崎君龍らに監禁&拷問されて“生コンクリート”を飲まされる衝撃的な予告映像は、ネットでも大きな話題となりました。(参考:岩田剛典、“生コン拷問”は「胡麻豆腐なんでご安心を」 『HiGH&LOW THE MOVIE 3』完成披露イベント

 九龍グループの“大人の喧嘩”によってボロ雑巾のようにされてしまうのは、コブラだけではありません。White RascalsのROCKY(黒木啓司)、鬼邪高校の村山良樹(山田裕貴)、RUDE BOYSのスモーキー(窪田正孝)、達磨一家の日向紀久(林遣都)……各グループの拠点が阿鼻叫喚の地獄さながらにめちゃくちゃに破壊され、リーダー達は絶望に打ちひしがれます。火が放たれ、女たちは攫われ、歯向かった者たちは縛り上げられた挙句、文字通り“吊るされて”いるのだから、九龍グループがまともな大人たちではないことは明らかです。こうなると頼みの綱は琥珀(AKIRA)&九十九(青柳翔)のムゲンコンビと、雨宮兄弟(TAKAHIRO/登坂広臣)だけですが、彼らのもとには不死身の刺客・九鬼源治が再び襲いかかります。まさに絶体絶命のピンチ!

 最終章を謳っているだけあって、とにかく出し惜しみなくド派手なシーンが続くのが、『3』最大の見どころと言っていいでしょう。ファンの期待を裏切らない、熱すぎるファイトがこれでもかというほどに詰め込まれています。また、これまで謎に包まれていたSWORD地区の成り立ちが明かされるのも見逃せません。ドラマ版から約3年をかけて繰り広げられてきた壮大かつ複雑なストーリーが、ひとつの線でつながった瞬間、その脚本の見事さに圧倒されるはずです。

 思えば『HiGH&LOW』は“混沌”の物語でした。登場人物が異様に多く、しかも全員主人公。血気盛んな若者たちが好き勝手にチームを組み、それぞれいがみ合って喧嘩三昧。もう不良は卒業すべき年頃のパイセンたちや、隣町のギャングたちや刑務所上がりのチンピラ軍団、果ては政府と癒着した巨大な反社会的勢力までが参戦し、くんずほぐれつやり合っているのだから、初めて鑑賞したときは正直、なにがなんだかさっぱりわかりませんでした。それはきっと、多くのファンたちも同じ心境だったことでしょう。

 ところが、今となっては各々どんな性格で、どういう癖を持っているか、誰と誰が仲良しで、なにを大事にしているのか、手に取るようにわかるから不思議です。ひとりひとりのキャラクターを丁寧に、愛情を注いで描いていったことで、彼らにファンが付き、そこから自然と物語が立ち上がって、結果として『HiGH&LOW』という世界の“秩序”が生まれたのかもしれません。すべての歯車が噛み合い、ラストに向けて力強く邁進していく物語を見ながら、そんなことを思いました。

 ■公開情報
『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』
11月11日(土)全国ロードショー
キャスト:【ムゲン】AKIRA、青柳翔
【雨宮兄弟】TAKAHIRO、登坂広臣
【山王連合会】岩田剛典、鈴木伸之、町田啓太、山下健二郎、佐藤寛太、佐藤大樹、
八木将康、岩谷翔吾、山本彰吾、天野浩成
【White Rascals】黒木啓司、遠藤雄弥、稲葉友、栁俊太郎、廣瀬智紀、松田凌、西川俊介、西村一輝
【鬼邪高校】山田裕貴、鈴木貴之、一ノ瀬ワタル、青木健、清原翔、陳内将
【RUDE BOYS】窪田正孝、佐野玲於、ZEN、佐野岳、藤井夏恋、鈴木梨央
【達磨一家】林遣都、阿部亮平、小澤雄太、水野勝、田中俊介、守屋光治、井澤勇貴
【苺美瑠狂】楓、佐藤晴美、山口乃々華、城戸愛莉、藤井萩花、坂東希
【MIGHTY WARRIORS】ELLY、大屋夏南、野替愁平、白濱亜嵐、ANARCHY、LIKIYA、祐真キキ、NAOTO、関口メンディー
【九龍グループ・会長】津川雅彦、岩城滉一、岸谷五朗、加藤雅也、笹野高史、髙嶋政宏、木下ほうか、中村達也、早乙女太一
【九龍グループ・幹部】橘ケンチ、小林直己、尚玄、小野塚勇人、渡邉紘平、武田幸三、夕輝壽太、白石朋也、荒木秀行、黒石高大、長谷川初範、堀部圭亮、矢島健一、斎藤洋介、渡辺裕之、池上幸平、豊原功補、YOU、小泉今日子、飯島直子
企画プロデュース:EXILE HIRO
脚本:平沼紀久、渡辺啓、上條大輔、Team HI-AX
監督:久保茂昭、中茎強
アクション監督:大内貴仁
制作:HI-AX
製作著作:「HiGH&LOW」製作委員会
配給:松竹
(c)2017「HiGH&LOW」製作委員会
公式サイト:high-low.jp

『ザ・サークル』 

 中学1年生の頃に初めて携帯電話(ガラケー白)を買ってもらい、一番初めに登録したSNSはモバゲーでした。そんなリアルサウンド映画部のゆとり女子・戸塚がオススメする作品は、『ザ・サークル』。

 SNSをテーマにしたサスペンス映画ということで、今の時代にぴったりの作品です。「インスタ映え」という言葉が流行している現在、私たちは何の躊躇もなくプライベートの一部を、毎日のように世界に発信しています。一度ネットに上がってしまえば、半永久的に残る。なんてことを誰もが一度は聞いたことがあるはずです。でも、その“危うさ”と“怖さ”を本当の意味で理解している人はほんの一握りに過ぎない。私も、実感していない大勢の中の一人です。

 本作に描かれていることは全てフィクションですが、決してファンタジーではありません。近い未来の私たちの姿がエマ・ワトソン演じる主人公メイであり、私たちが生活することになる世界が舞台となっている巨大SNS企業“サークル”になるかもしれません。私生活の24時間を全て晒し、どこに隠れても必ず誰かに見つかり、干渉される。自分が知らない誰かに。

 『ザ・サークル』は「本当にあるかもしれない怖い話」です。ある意味では、ホラー以上にホラーな映画かもしれません。SNSは決して“悪”ではない。でも、便利なものであればあるほど、使い方によっては“凶器”になります。だからこそ、本作で描かれていることはリアルで刺激的で恐ろしい。

 あなたも、週末映画館で“SNSの恐怖”を体験してみてはいかがでしょうか?

■公開情報
『ザ・サークル』
11月10日(金)TOHOシネマズ六本木ヒルズ ほか全国ロード
出演:エマ・ワトソン、トム・ハンクス、ジョン・ボイエガ、カレン・ギラン、エラー・コルトレーン、ビル・パクストン
監督・脚本:ジェームズ・ポンソルト
原作:デイヴ・エガーズ著「ザ・サークル」(早川書房)
音楽:ダニー・エルフマン
編集:リサ・ラセック
撮影:マシュー・リバティーク
美術:ジェラルド・サリバン
配給:ギャガ
原題:「The Circle」/2017年/アメリカ/シネスコ/5.1chデジタル/110分
(c)2017 IN Splitter, L.P. All Rights Reserved.

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