『奥様は、取り扱い注意』第6話の鍵は“約束”? 西島秀俊演じる夫が語った男女の違い
余談だが、「男として生まれて、悲しいと思ったことはある?」と菜美に聞かれた夫・勇輝(西島秀俊)は、「男は法律をつくるために生まれ、女は自然を保持するために生まれる。何かの本にそう書いてあった。男は多分本当の悲しみを知らない生き物なんだ」と語っていた。この言葉はおそらく、フランスの童話作家・セギュール夫人の「男は法律をつくり、女は風俗をつくる」というものから来ているのだろう。この“風俗”は、ある時代やある社会における、生活上の習わしやしきたりのこと。つまり、男は社会をつくり、女は生活をつくる。もしかしたら、男と女は同じ人間というだけで全く別の生き物なのかもしれない。きっと達郎は自分が殺されるほど、彼女たち被害者が痛みを覚えていたなんて思ってもいなかっただろう。そして、加害者と被害者の違いもまた大きい。した方は忘れてしまうがされた方はずっと覚えている。
達郎を殺した彼女たち加害者もまた、いつしか自分たちが犯した罪を忘れてしまうのかもしれない。だがしかし、自分たちの悲しみだけは“一生忘れられない”に違いない。
(文=戸塚安友奈)
■放送情報
『奥様は、取り扱い注意』
日本テレビ系にて毎週水曜夜10時~
出演:綾瀬はるか、広末涼子、本田翼、中尾明慶、銀粉蝶、石黒賢、西島秀俊
原案・脚本:金城一紀
演出:猪股隆一ほか
公式サイト:http://www.ntv.co.jp/okusama/