“塩顔男子”に注目のニューカマー! 『兄こま』杉野遥亮 & 『dヒッツCM』井上雄太の可能性

“塩顔男子”に注目のニューカマー! 『兄こま』杉野遥亮 & 『dヒッツCM』井上雄太の可能性

『ラオス 竜の奇跡』(C)ジャパン-ラオス・クリエイティブ・パートナーズ

 もう1人の新たな塩顔男子、井上雄太は東宝芸能のオーディションで芸能界デビュー。一度は大手企業に就職し、サラリーマンとして働いていた経歴を持っている。しかしもともと夢だった俳優業を諦めずに、自分でオーディションに参加し、事務所所属を勝ち取った。大学時代にモデルをしていた際に、ある映画オーディションで落選したことがあり、そこで合格した別のモデルが、俳優としての階段を順調に上り始めたことが、夢へ再チャレンジするきっかけになった。

 現在は映画初出演にして初主演を飾っている『ラオス 竜の奇跡』が公開中だ。本作はラオスと日本の合作映画で、井上は60年代にダムの建設のためにラオスへと渡った日本人青年の川井を演じ、本編ではほぼラオス語で通す奮闘ぶりを見せている。ラオス語だけでもかなり高いハードルだったはずだが、初の映画とは思えぬ演技を披露しており、シーンシーンから芝居への真摯な姿勢が伝わってくる。

『ラオス 竜の奇跡』(C)ジャパン-ラオス・クリエイティブ・パートナーズ

 小規模公開作品のため、同作を観ることができないという人もいるかもしれないが、実は井上は、竹ノ内豊が新たな魅力で惹きつけるドコモdヒッツのCMですでに顔を広めている。「急な雨編」「バスが来ない編」に出ているちょっと情けない青年が、井上だ。役者としてのスタートは遅くなったが、社会人経験があることも武器にできるはず。ただのカッコいい青年ではなく、独特の雰囲気を兼ね備えた役者として存在できるだろう。

 塩顔男子という括り方をすると、嫌悪感を覚える人もいるかもしれない。だがそれもこれも彼らを知ってほしいため。杉野も井上も、まだ羽ばたき始めたばかりだが、息の長い役者としての活躍を期待したい。

■望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。

■公開情報
『兄に愛されすぎて困ってます』
6月30日(金)全国ロードショー
監督:河合勇人
脚本:松田裕子
原作:夜神里奈「兄に愛されすぎて困ってます」(小学館「Sho-Comi」連載中)
出演:土屋太鳳、片寄涼太 (GENERATIONS from EXILE TRIBE)、千葉雄大 、草川拓弥(超特急)、杉野遥亮 ほか
主題歌:「空」GENERATIONS from EXILE TRIBE
配給:松竹
(c)2017「兄こま」製作委員会 (c)夜神里奈/小学館
公式サイト:anikoma-movie.jp

『ラオス 竜の奇跡』
有楽町スバル座ほか全国ロードショー
監督:熊沢誓人
脚本:守口悠介、熊沢誓人
出演:井上雄太(日本)、ティダー・シティサイ(ラオス)
制作:Athidxay BOUANDAOHEUANG(ラオス)
製作:ジャパン-ラオス・クリエイティブ・パートナーズ(日本)
共同制作:Lao New Wave Cinema Production(ラオス)
配給:アーク・エンタテインメント
(C)ジャパン-ラオス・クリエイティブ・パートナーズ
公式サイト:http://www.saynamlai.movie/

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