中村倫也&奥野瑛太『3月のライオン 前編』のサブキャラに注目! 個性派棋士役の好演に迫る
対して、奥野瑛太は役柄的にもおいしい場面に登場して強烈な印象を残す。演じるのは、新人戦で4年にわたって新人王を獲得し続けている、零と二海堂晴信(染谷)の宿敵である棋士の山崎順慶役だ。
奥野のデビューは2009年。入江悠監督の『SR サイタマノラッパー』のMC MIGHTY役で映画ファンに知られる。映画においてもドラマにおいても、脇で作品を支えるタイプだが、ここにきてめきめきと力をつけてきている。今年公開された『キセキ −あの日のソビト–』では、松坂桃李扮するジンの親友トシオに、地に足の着いた演技で説得力を持たせている。話題を集めたドラマ『バイプレイヤーズ 〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜』の第5話にもゲスト出演しており、名優たちを前にイッちゃってる監督役を楽しそうに振り切った演技で見せた。
『3月のライオン 前編』では、クライマックスのひとつといっていい場面を与えられ、主演クラスの俳優たちをモノともしない、堂々たる存在感を発揮している。原作の造形をきっちりと再現したスキンヘッド姿により、奥野の切れ長な目としっかりした作りの鼻の、特徴的な顔立ちがより前面に出た。本作でのフィーチャーが転機になるかもしれない。
現在、30歳の中村と31歳の奥野。個性はまるで違うが、共に柔軟を使い分ける演技力を持っており、これからも期待大。中村はこれから、『笑う招き猫』と『先生!』が、奥野は『曇天に笑う』が控える。
■望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。
■公開情報
『3月のライオン』
【前編】3月18日(土)【後編】4月22日(土)2部作連続・全国ロードショー
監督:大友啓史
原作:羽海野チカ『3月のライオン』(白泉社刊・ヤングアニマル連載)
脚本:岩下悠子、渡部亮平、大友啓史
音楽:菅野祐悟
出演:神木隆之介、有村架純、倉科カナ、染谷将太、清原果耶、佐々木蔵之介、加瀬亮、前田吟、高橋一生、岩松了、斉木しげる、中村倫也、尾上寛之、奥野瑛太、甲本雅裕、新津ちせ、板谷由夏、伊藤英明、豊川悦司
製作:『3月のライオン』製作委員会
制作プロダクション:アスミック・エース、ROBOT
配給:東宝=アスミック・エース
(c)2017 映画「3月のライオン」製作委員会
公式サイト:3lion-movie.com