Netflix『火花』なぜNHK総合で放送? 吉本興業による映像事業の可能性

『火花』NHK総合で放送することの意味

「吉本は『火花』のほかにも、松本人志による『ドキュメンタル Documental』‎をAmazonプライム・ビデオで配信するなど、ネット配信サービスでオリジナル作品を発表することに力を入れている。実は、吉本は民放だけではなく、CSやBSも含めて様々なパイプから作品を発表することに対して、かねてより積極的な姿勢を見せていた。通常、実写による映像作品にはさまざまな事業者が介入しているため、権利元が多岐に渡ってしまうケースが多いが、吉本は自社のタレントと制作部を使うことにより、権利を押さえている。そのため、自らのビジネス判断でさまざまな媒体にコンテンツを提供できる。地上波のフォーマットには乗り切らない作品を別のルートから発表することにおいて、吉本は先駆者中の先駆者。ネット事業者が長尺の映像制作において有力なプレイヤーとなり、地上波からも注目されるようになったいま、吉本のモデルには大きな可能性があるといえる」

 すでに高い評価を得ている『火花』だが、NHK総合の放送では評価に見合った視聴率を獲得することができるのか。テレビドラマとは異なるフォーマットによる作風が、視聴者に受け入れられるか否かは、吉本興業だけではなく、あらゆる意欲的な映像事業者にとっても試金石となりそうだ。

(文=編集部)

■番組情報
『火花』
2017年2月26日(日)スタート【総合】(連続10回)
毎週日曜 よる11時(45分・最終回のみ50分予定)
キャスト:林遣都、波岡一喜、門脇麦、好井まさお(井下好井)、村田秀亮(とろサーモン)、菜葉菜、山本彩(NMB48/AKB48)、徳永えり、渡辺大知、高橋メアリージュン、渡辺哲、染谷将太、田口トモロヲ、小林薫 ほか
原作:又吉直樹『火花』((文藝春秋)
脚本:加藤正人、高橋美幸、加藤結子
監督:廣木隆一、白石和彌、沖田修一、久万真路、毛利安孝
(C)2016YDクリエイション

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