深田恭子とディーン・フジオカは名コンビになれるのか? ふたりの“違和感”が生む化学反応

 また、今作ではディーン・フジオカの存在も見逃せない。むしろディーンを目的に本作を観ている視聴者も多いはずだ。現在放送中のNHK連続テレビ小説『あさが来た』の五代友厚役で一躍脚光を浴びたディーンは、かなり変わった経歴の持ち主である。1980年生まれの福島県出身、シアトルの大学を卒業後、アジア諸国を巡ったのちに2004年から香港を拠点にモデルとして活動をスタート。2005年に香港映画『八月的故事』で主演を果たしたあとはアメリカドラマにも進出、日本でも2013年に『I am Ichihashi ~逮捕されるまで~』で主演だけではなく監督(!)もこなすなど国際的に活躍している。また、インドネシアではミュージシャンとして音楽制作をしているらしく、調べれば調べるほど謎が深まる人物だが、『あさが来た』出演以降の人気は絶大で、まさに彗星の如く現れた貴公子といえる。

 そんな謎の貴公子がドSキャラとしてミチコを追い込むというのだから、展開が予想できないのは当然である。しかし第1話を見た限りでは、ディーンがそのイメージからは想像し得なかったドSっぷりを発揮する一方、ミチコもまた意外なほどコミカルな演技でそれに応えるなど、絶妙な掛け合いが早くも見られた。これは良い意味で“違和感”を感じさせるふたりだからこそ、起こすことができた化学反応といえるだろう。もしかしたら、このふたりは『のだめカンタービレ』の玉木宏と上野樹里、『ホタルノヒカリ』の藤木直人と綾瀬はるかに匹敵する名コンビとなるのではないだろうか。

(文=本 手)

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