ピーター・グリーナウェイの“世紀のチン作”を観た! エイゼンシュテインのメキシコ滞在を描く

ピーター・グリーナウェイ最新作を観た

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 そんな映像美に溢れた本作だが、その中でも特に印象的なのが“露出しまくる下半身”だ。エイゼンシュテイン役を務める主演のエルマ・バックとガイドのパロミーノ役を務めるルイス・アルベルティのペニスがこれでもかというほどにスクリーンに登場するのである。しかもモザイクなしで。上映時間105分中の30分ぐらいは男性器が映っていたのではないだろうか。ぶら下がっているだけならまだしも、ストーリーの中盤で描かれる“挿入シーン”はかなり衝撃的に描かれる。エイゼンシュテインの背中から臀部にかけてオイルを垂れ流すパロミーノ。自らの男性器にもオイルを塗り、勃起させる。そして…。さすがにクローズアップのカットはないが、「エロスとタナトス、セックスと死」が映画制作のテーマだというその映像表現は、自身のフィルモグラフィにおいて、常に実験性と革新性を追求してきたグリーナウェイだからこその説得力を持つシークエンスになっているのであった。

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 『コックと泥棒、その妻と愛人』(1989)や『ピーター・グリーナウェイの枕草子』(1996)など、90年代には先日閉館がアナウンスされた渋谷のシネマライズでよく監督作が上映されていたピーター・グリーナウェイ。近年も精力的に映画制作を続けているが、『レンブラントの夜警』(2007)を最後に日本での公開は途絶えてしまっている。その題材や性描写ゆえに『エイゼンシュテイン・イン・グアナファト』も恐らく日本での公開は難しいだろう(仮に公開されたとしても、映像表現の一角を担っているパートがモザイク処理されてしまうことは免れない)。東京での開催は残念ながら終わってしまったラテンビート映画祭だが、大阪と横浜での開催がまだ控えており、『エイゼンシュテイン・イン・グアナファト』も10月24日(土)に大阪・梅田ブルク7、11月1日(日)に横浜ブルク13で観る機会が残っている。是非このチャンスを逃さずに、その目で確認していただきたい1作である。

(文=宮川翔)

■公開情報
『エイゼンシュテイン・イン・グアナファト』
監督:ピーター・グリーナウェイ
出演:エルマ・バック
(C)LBFF2015実行委員会

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