96歳の巨匠・皆川博子の最新長編小説『ジンタルス』 19世紀ロシアと13世紀バルトが交錯する、圧政と戦乱の物語
皆川博子の長編小説『ジンタルス RED AMBER』が、5月27日に河出書房新社より刊行された。
【画像】皆川博子による『ジンタルス RED AMBER』が発売
本作は、季刊文芸誌『文藝』にて2023年冬季号から2026年春季号まで連載された長編小説。19世紀ロシアと13世紀バルトを舞台に、圧政と戦乱の時代を生きた2人の青年の物語が描かれる。
19世紀ロシアを舞台にした物語の主人公は、伯爵に仕えながら絵画を学ぶ農奴のミーシャ。館で「亡霊(プリーズラク)」と呼ばれている青年ステンカとの出会いから、ペテルブルクで画才と文才を磨く道が開ける。一方、13世紀バルトを舞台にした物語の主人公は、北方十字軍に故郷リヴォニアを侵略され、家族を失った少年ジンタルス。貴族の息子マクシミリアンの従者として遍歴の旅に出るが、復讐の念は彼を修羅の道へと導く。ミーシャの物語と、ミーシャが記したジンタルスの物語、2つの物語が交錯する構成となっている。
本作は、ウクライナの詩人タラス・シェフチェンコの生涯と、ポーランドの詩人アダム・ミツキェーヴィチの『コンラット・ヴァレンロット』に着想を得て描かれた。装画は伊豫田晃一、装丁は柳川貴代が担当する。なお、電子書籍は7月以降に発売予定となっている。
著者の皆川博子は、1930年生まれ。1972年『海と十字架』でデビューし、半世紀以上にわたってミステリ、幻想小説、時代小説、歴史小説など幅広いジャンルで創作を続けてきた。『恋紅』で直木賞、『死の泉』で吉川英治文学賞、『開かせていただき光栄です』で本格ミステリ大賞および日本ミステリー文学大賞、『風配図 WIND ROSE』で紫式部文学賞を受賞。2015年に文化功労者、2025年春の叙勲では旭日中綬章を受章している。96歳の現在も旺盛な執筆活動を続けている。
あわせて、刊行記念本『皆川博子の辺境薔薇館 増補版』が6月11日に発売される。『ジンタルス RED AMBER』刊行記念の新規ロングインタビューを収録し、著者直筆絵と書き下ろしエッセイ、『このミステリーがすごい!』「私の隠し玉」集成、最新版著作リストと年譜を掲載。飛鳥部勝則、合田ノブヨ、佐藤弓生、澤田瞳子、高原英理、辻真先、古川日出男、穂村弘、マライ・メントラインなど11人による特別寄稿も収められる。
■書誌情報
『ジンタルス RED AMBER』皆川博子(河出書房新社)
著者:皆川博子
価格:3,960円(税込)
発売日:2026年5月27日
出版社:河出書房新社
『皆川博子の辺境薔薇館 増補版』
著者:皆川博子
価格:2,860円(税込)
発売日:2026年6月11日
出版社:河出書房新社