『秒速5センチメートル』実写化も影響! 秋のオリコンランキングを彩る恋愛映画の書籍たち

 2025年10月第1週のオリコン文芸書ランキング第5位にランクインした『映画ノベライズ(LOVE SONG)』(橘もも著、吉野主&阿久根知昭&チャンプ・ウィーラチット・トンジラー原作、KADOKAWA)は、10月31日より公開予定の映画『(LOVE SONG)』のノベライズ本である。『(LOVE SONG)』は世界的なヒット作となったタイの恋愛ドラマ「2gether」を手掛けたチャンプ・ウィーラチット・トンジラーが監督を務めた恋愛映画で、バンコクへの転勤を命じられた真面目な研究員・ソウタと、彼がかつて思いを寄せていたカイの恋模様を描く。ソウタを演じるのは森崎ウィン、カイを演じるのは向井康二(Snow Man)である。

 実は今秋公開の恋愛映画にまつわる本がオリコンランキングでは目立っている。例えば第7位の芥川なおの『ストロベリームーン』(すばる舎)は、10月17日公開の同名映画の原作小説。15歳で余命半年と宣告された少女・桜井萌と彼女のクラスメイトである佐藤日向との切ない恋模様を描いた作品で、「令和イチ泣ける」との触れ込みで話題を呼び2025年8月時点でシリーズ累計21.5万部を突破しているという。シリーズと書いたが2025年7月には続編に当たる『コールドムーン』(すばる舎)が発売され、こちらも大きな反響を呼んでいた。

 文芸書ランキング以外にも目を向けてみる。2025年10月第3週のオリコンライトノベルランキングでは、第10位に新海誠の『小説 秒速5センチメートル』(角川文庫)がランクイン。「君の名は。」などで知られる映画監督・新海誠による2007年公開の恋愛アニメ映画「秒速5センチメートル」を、新海自らが小説化した作品だ。思わず溜息が漏れる様な映像の美しさと、作中に流れる山崎まさよしの「One more time, One more chance」に魅了されたファンは多いだろう。この「秒速5センチメートル」の実写版が10月10日に公開されている。監督は米津玄師のミュージックビデオなども手掛ける奥山由之。主演は松村北斗。根強いファンを持つアニメ映画作品だけに、今回の実写映画への注目も大きかった。

 ホラーブームを反映したようなラインナップや、ミステリの目玉作品が際立った印象がある2025年夏・秋のオリコンランキングだが、恋愛映画に関する書籍も多く入っている。今後はどのような作品が入ってくるのか、映画の公開情報などと照らし合わせながら引き続き注目していきたい。

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