『地獄先生ぬ~べ~』のアップデートがスゴい! 新作アニメと原作漫画の違いを検証
■第1話から大胆なストーリー改変が話題に
新作アニメでもうひとつの注目ポイントは、人気キャラクター・玉藻が序盤から大きな存在感を放っていることだ。玉藻は一見すると容姿端麗な優男だが、実はその正体は妖狐。強い力を秘めており、ぬ~べ~にとって最大のライバルとして競い合う。原作は第11話が初登場回だったが、新作アニメでは第1話のラストで颯爽と物語の舞台に上がっている。
また、ぬ~べ~と玉藻の初戦の舞台も、原作のスクラップ置き場から、建設中の遊園地へと変更。玉藻の得意技である「幻視の術」と、ジェットコースターなどのアトラクションを組み合わせたスタイリッシュなバトルが描かれている。
こうして物語序盤のうちに“ぬ~べ~vs玉藻”という構図を提示することで、原作ファンが盛り上がっているのはもちろんだが、新規層に分かりやすい見どころを提供するという狙いもあるのかもしれない。たんに原作ファンのノスタルジーに寄り添うだけでなく、“令和の視聴者に向けたリメイク”として作られているのがよく伝わってくる改変だ。
なお玉藻の出番が早まったことで、諸々の展開にも変更が加えられている。原作の玉藻は広の頭蓋骨を使って「人化の術」を行おうとしていたが、この儀式に「九十九の足の蟲」が必要という設定に。そして一連の事件は玉藻が黒幕だったことになっており、儀式を成功させるために自身の妖気を注ぎ込んだ蟲を広に潜り込ませた……という話へと再構成されている。
大胆な改変でありながら、原作ファンからの反発が少ないのは、こうして原作の流れを尊重しつつ、設定を上手く改変しているためだろう。
新規層と原作ファンを意識した丁寧な作りになっている新作アニメ『地獄先生ぬ~べ~』。令和に復活した平成ホラーの代表作が、これからどのような体験を味わわせてくれるのか、引き続き注目していきたい。