【ライトノベル週間ランキング】
『薬屋のひとりごと』伝染病にどう立ち向かう? アニメ第2期でラノベランキングを席巻中
12位は、第78回日本推理作家協会賞の【長編および連作短編集部門】を受賞した古泉迦十『崑崙奴』(星海社FICTIONS)。2000年に『火蛾』で第17回メフィスト賞を受賞してデビューしてから四半世紀、新作が出ず存在自体が幻となっていた作家の久々の本格ミステリ作品で、刊行にも受賞にも本人の登場にも驚きが起こった。大唐帝国の長安で起こる殺人事件に異相の童子が挑んだ果てに浮かぶ真相とは? 中華ミステリの神髄を味わおう。
19位は、夢枕獏が43年の長きにわたって紡ぎ続けて来たシリーズの最新刊で、完結がうたわれる『キマイラ聖獣変』(ソノラマノベルズ)。継続中のシリーズ作品を多く持つ作者が、闘病もあってそれらが未完で終わることを懸念。ファンの期待に応えるため、途中を飛ばしてでも結末を見せようと執筆した。人間の中に眠る不思議な力が発動した少年・大鳳吼を始めとした登場人物たちの行く末を確かめよう。
注目作では、29位の駄犬『誰が勇者を殺したか 勇者の章(3)』(角川スニーカー文庫)が5月30日に登場。1作目で魔王討伐の中で死んだと言われた勇者の真相に迫り、第2巻で勇者たちの魔王討伐の裏で行われていたことが描かれたシリーズ。第3巻では魔王討伐から数年経って、勇者がかつての旅の始まりで出会ったリュドニア国の姫と再会し、糾弾を受ける中で別の物語が綴られる。
30位は、将棋をテーマにした白鳥士郎のシリーズ完結編となる『りゅうおうのおしごと! 20』(GA文庫)。九頭竜八一の弟子だった雛鶴あいがプロ棋士への編入試験制度を訴え、八一の姉弟子ですでにプロ棋士となっている空銀子と激突。八一は八一で竜王位の防衛に挑み、さらに八一の師匠の娘で女流棋士になった清滝桂香が出版したライトノベルの売れ行きも気になるといった、てんこ盛りの内容で最後まで楽しませてくれそう。7月12日発売。オリジナル扇子や掛け軸風タペストリー、ビッグアクリルスタンドなどがセットになって1万9800円と超高額の『りゅうおうのおしごと!20 電子限定版収録文庫&対局室風ディスプレイセット付き豪華特装版』にも興味を惹かれる。
※参考:Rakutenブックス「ライトノベル 週間ランキング」https://books.rakuten.co.jp/ranking/weekly/001017/#!/