「マンガ大賞2025」は『ありす、宇宙までも』に決定! 売野機子はキャリア16年で初の栄光

売野機子が寄せた「マンガ大賞2025」受賞イラスト

「マンガ大賞2025」の受賞を受けて、売野が寄せたイラストには、ありすと並んで立つ犬星が上空を指さし、「見ろ朝日田、これが1位の景色だ!!!」と叫ぶシーンが描かれている。手描きの原稿で、その場で担当編集が台詞の写植を貼ったというアナログ原稿として貴重な1枚だが、上を目指して進み続けることでたどり着ける場所の気持ちよさを現してもいる。受賞を喜ぶ気持ちを感じつつ、同じような場所を目指す気持ちを誘われるイラストだ。

 贈賞式では、昨年「マンガ大賞2024」を受賞した『君と宇宙を歩くために』(講談社)を描いた泥ノ田犬彦がプレゼンターを務め、「大好きな作品なので一報を聞いて嬉しいと思いました」と賞賛を贈った。昨年、マンガ大賞を受賞したことでそれまで以上に広い層の人たちが作品を読んでくれるようになり、作中のキャラクターたちと同年代の中高生から直接言葉を聞く機会も得られて漫画家として大いに役立ったそうだ。

 『ありす、宇宙までも』も受賞によって人気が盛り上がり、ありすが船長になるまでの道筋が細かく描かれれば、読者としての楽しみも増え、同じように女性で船長を目指す人を生み出して、日本の宇宙開発熱を高める効果も生み出すかもしれない。

売野機子が寄せたイラスト(左)、受賞記念のプライズ(右) 「マンガ大賞2025」授賞式の様子

 「マンガ大賞2025」で4位は泉光『図書館の大魔術師』が69ポイント、5位は城戸志保『どくだみの花咲くころ』が51ポイント、6位は白川蟻ん漫画、六つ花えいこ原作、秋鹿ユギリキャラクター原案の『死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから(※ただし好感度はゼロ)』が45ポイント、7位は和山やま『女の園の星』が44ポイント、8位は田村隆平『COSMOS』が38ポイント、9位はこだまはつみ『この世は戦う価値がある』が37ポイント、10位はまるよのかもめ『ドカ食いダイスキ! もちづきさん』が24ポイントで続いた。

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