篠崎愛&みくのしん“読書苦手あるある”を語り合う 『32歳がはじめて本を読む』はなぜ読みやすい?
正義の本読みと悪の本読み
かまど:本を読んでる人の全員が語彙力のある人ばかりってわけではないと思いますよ。個人的には、あまり関係ない気がする。
篠崎:でも、本が読めないと知ると、「言葉を知らないんだ」「頭が悪いんだ」みたいな決めつけしてくる人いません?
みくのしん:それは過激派というか、悪の本読みなんですよ。正義の本読みはそんなことしないのかも。
かまど:(正義の本読みって何?)
みくのしん:あと、語彙力がないと、仕事に支障が出ることもありますよね。
篠崎:あ、そういえば、みくのしんさんはライターさんなんですよね?
みくのしん:そうなんですよ。実は僕、ライターなんです。
かまど:字を読むのが苦手な人が、字を書く仕事をしてるって意味不明だよな。
みくのしん:インタビュー記事を担当することもあって、毎回気絶しそうになりながら書いてます。こないだ、ちょっとでも楽をしようと思ってAIの文字起こしツールを使ってみたんです。そしたら文字起こしのデータが3万字もあったんです。「え、嘘!?」と思って。
篠崎:音声データが「本」になっちゃったんだ。
みくのしん:これは盲点でした。結局自分でイチからやることになりました。
本を読めない人で集まりたい
ーー篠崎さんは今日お二人と話していかがでしたか?
篠崎:すごく楽しかったです! 本当にお二人とも本の中の人のままでした。しかも、本が読めないことについて、こんなに共感し合いながら話せる事なんてなかなかないので。貴重な機会でした。
かまど:こちらこそ貴重な機会でした。読書が苦手な方に、僕らの本を読んでもらえて、しかも楽しんでもらえて、さらに感想までいただけるなんて。それが一番嬉しいです。
みくのしん:僕は、本が読めない人とお会いできたのが嬉しかったです。本が読めない悩みは結構似てるなと思えたし、「俺は一人じゃない!」と思えてすごく嬉しかったです。同じような人ももっといるのかもしれないし、みんなで集まってみたいと思いました。
あと、篠崎さんは「一房の葡萄」はちょっと難しかったと言ってましたけど、僕はむしろ読みやすかった印象だったりするんですよ。だから、一口に「本が読めない」と言っても感想は人それぞれで違うことを改めて知りました。
篠崎:本を読むのが苦手な人同士で語るってないですよね。
みくのしん:それが新鮮で。嬉しかったし、楽しかったです。
かまど:できればこれをきっかけに、「次、なんか本を読んでみようかな」と思ってもらえたら嬉しいです。
篠崎:そうですね。どんな本がいいだろう。
かまど:身内を褒めるわけじゃないですけど、雨穴の作品は、読みやすくて面白いですよ。丁寧に画像が挿入されたり、章ごとに分かれてたりして、読むハードルをしっかり下げてくれるので。
篠崎:あ! それはいいですね! この本も章で分かれていたので、途中で休憩しやすくて助かりました。読書が苦手な人って、いつ休んでいいかわからなかったりするんですよ。
かまど:じゃあ、まさに雨穴の作品はオススメですね。「読みやすい」というと、子ども向けとか初心者用みたいなイメージになりがちなんですけど、内容もしっかり面白みが詰まってますし。
篠崎:そうなんですね! 読んでみようかな~。
みくのしん:篠崎さんが急にレベルアップしたらどうしよう。これをきっかけに、篠崎さんのプロフィールが「趣味:読書」になったら焦りますよ。「置いてかないでくれ!」って思う。