篠崎愛「初めて全部読めました」 話題書『32歳がはじめて本を読む』座談会、かまどが雨穴に言われたこと

ベストセラー作家・雨穴からのアドバイス

──篠崎さんが一番好きな作品を選ぶとしたら何ですか?

篠崎:「杜子春」と雨穴さんの「本棚」ですかね。まず「杜子春」はストーリーが面白かったです。私はみくのしんさんのように、声に出して本を読むことはしないんですけど、「杜子春」は読んでいて、自然と「え!?」って声が出ちゃったりして。

みくのしん:大丈夫ですか? 僕の悪いクセがうつっちゃってません?

かまど:悪いクセではないだろ。

篠崎:とにかく「杜子春」は続きが気になるから、どんどん読めたんですよ。
あと、懲りずに贅沢ばかりしている杜子春に対して、仙人が「お前は何を考えているのだ?」と言うシーンあるじゃないですか。そのときに、みくのしんさんまでも「お前は何を考えているのだ?」と怒り出すところは、つい笑っちゃいました。

かまど:あのくだり面白いですよね、僕も、みくのしんが読む前から、あのシーンでめっちゃリアクションしてくれるだろうなと思ってました。なんなら、それが見てみたくて「杜子春」を選んだくらいです。

篠崎:そして、杜子春は仙人になるために、決して声を出してはいけないという修行をすることになって、どんな試練がふりかかっても、修行をクリアしようとずっと我慢して。でも最後に自分の母親が痛めつけられる姿を見て、とうとう「お母さん」と声を出してしまう……。ついに声出しちゃったかぁ。でもしょうがないよね。お母さんのそんな姿、無言で見てられるわけないよ! と思ってたら、仙人のおじいちゃんが「もし、あそこで声を出してなかったら、お前のこと殺してたよ」って。あそこもめっちゃビックリしましたね。「え?(笑)」みたいな。「しゃべらないが正解なんじゃないの? 何がしたかったの???」ってなりましたね。

かまど:みくのしんと全く同じリアクションだ。

みくのしん:そういうのも含めて、「杜子春」はファンタジーのようなストーリーで楽しかったんだよな~。

篠崎:あと、やっぱり雨穴さんの作品はすごく面白かったです。

みくのしん:雨穴ちゃんは僕らのライター仲間であり、同僚でもあるんですけど、今はもう世界的な作家になってきましたね。

かまど

かまど:この本を書くとき、雨穴にアドバイスをもらったりもしたんですよ。そしたら、雨穴自身は「本を書くときは誰でも読めるように気をつけている」らしくて。実際、読書が苦手だった人や、読書に慣れていない小学生から「雨穴さんの作品で初めて本を読むことができました」という言葉をもらったりもするんですって。

篠崎:すごいですね。確かに雨穴さんの作品は、めちゃくちゃ読みやすかったです。

かまど:雨穴は「本を読んだことがない人が、本を手にとってくれる」ということにすごいパワーがあると信じているんだと思います。僕もこの本を作るときは、絶対そういう人に対する眼差しを忘れないようにしようと思っていました。

  「読書好きが、本の楽しさを再発見するもの」だけじゃなくて、「読書が苦手な人が、本の楽しさを新発見するもの」にしなきゃいけない。

  なので、篠崎さんがこの本を楽しんでもらえたことが、本当に嬉しいです。

■読書嫌いで盛り上がる! 座談会の後半は下記をチェック

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