"漫画の神様"手塚治虫、休載の時もファンにお詫びの漫画を描いていたーー凄すぎるサービス伝説
■漫画家が休みをとりやすい環境になった
さて、『グリンゴ』の連載中、手塚は癌を患っていた。そして、物語がいよいよクライマックスに差し掛かったころに手塚が亡くなったため、同作は未完の絶筆になってしまった。まさに漫画家は命を削りながら漫画を描いているといえ、手塚の死因を“過労死”だと言っている人もいた。
手塚が現役だった時代、漫画家は連載を休むことなど決して許されない、といった空気感があった。今では漫画界の働き方改革も進み、定期的に漫画家に休みを取らせる編集部・出版社も増えたと聞く。手塚は1989年に亡くなったが、今年は没後35年の節目にあたる年だった。その間、漫画家が休載しやすい環境になったことは大きな時代の変化と言っていいだろう。