エディア、好決算の理由は『オルクセン王国史』の快進撃? 人気作続々のラノベ&コミック事業を分析

 エディアにとって出版事業とは両輪を成すIP事業も、2025年2月期の第2四半期は4億1600万円の売上を確保して、第1四半期の4億1500万円から少しの増加を達成した。オンラインくじに人気IPを投入することで売上を確保する施策も進めており、さきごろ原作のライトノベルシリーズが完結した「青春ブタ野郎シリーズ」や、映画館でのロングランが話題となった『ポールプリセンス!!』といったタイトルが並んでファンの心をくすぐっている。こうした方針を今後も続けて堅調さを維持していくことになるだろう。

 2025年2月期決算の通期での見通しについては、売上高で35億円(前年比6.8%増)、営業利益で2億円(同23.8%増)と当初予想を変えていない。中間期からの半年で、ライトノベルでは72タイトル、コミックでは67タイトルを投入するが、その中には『オルクセン王国史』の原作小説とコミカライズが含まれており、今後の評判次第で拡大する可能性もある。もちろんその逆もあり、他の刊行物についても同様のことが言えるだけに、見通しを変えなかった可能性もある。

 もっとも、ライトノベルやコミックは、アニメ化によって売れ行きが大きく伸びることがある。エディア傘下の一二三書房から刊行された作品では、過去に『チート薬師のスローライフ~異世界に作ろうドラッグストア~』と『転生貴族の異世界冒険録~自重を知らない神々の使徒~』がアニメ化されており、現在刊行中の作品にもそうした期待ができないことはない。話題作が相次ぎ登場しているだけに、水面下では何か動きがあるかもしれない。今後の発表を待つ必要がありそうだ。

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