【ライトノベル最新動向】「青ブタ」「チラムネ」新刊や『誰が勇者を殺したか』驚きの続編も 8月の注目ライトノベル

 タイトルから中身が気になる作品では、8月20日発売の枩葉松『大学で一番かわいい先輩を助けたら呑み友達になった話』 (ファンタジア文庫) が学生生活での出会いからのハッピーな日々を想像させてくれる。8月1日発売の恋狸『TS転生した私が所属するVTuber事務所のライバーを全員堕としにいく話』(HJ文庫)も、タイトルそのままに転生でTSでVTuberといった要素てんこ盛りの濃密さで楽しませてくれそうだ。

 キャラクター小説系では、愁堂れな『軽井沢探偵譚 平成元年連続殺人事件』(集英社オレンジ文庫)が「平成」という前時代が始まった1989年を舞台に、祖父が残した数億円もの遺産をめぐって佐久間隼人が相続争いに巻き込まれて起こる事件を描く。相続の条件として示されたのが薫という女性に結婚相手として選ばれることだが、どうやらその正体に一癖ありそう。殺人事件も起こって混乱する展開と、平成元年という年配者ならバブルのまっただ中として記憶している時代の描写が気になる。8月20日発売。

 夏ならではのゾクっとさせる作品を1冊。静月遠火『何かの家』(メディアワークス文庫)は、“決して1人では入ってはいけない”と言われている家にまつわる物語。夏休みに帰省した大学生の冬馬が、民俗学を学ぶ学生・雪穂のフィールドワークに付き合い、1人では入ってはいけない家への案内を頼まれる。道中に雪穂は冬馬に、その家には必ず誰か1人が囚われているという奇妙な話をする。ただの迷信なのか、それとも本当のことなのか。真相を確かめたくなる。8月23日発売。

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