金ローで大反響!『葬送のフリーレン』原作から今後の見どころをチェック

 そうした一面があることは確かだが、TVアニメから『葬送のフリーレン』の世界を辿っていく人は、この先の展開で既に原作を読んだ人が承知しているように、魔王と戦ったパーティのメンバーらしいフリーレンの強さに触れることになる。放送分でも、封印されていた魔王軍の魔法使いクヴァールを倒す場面で、フリーレンの攻撃魔法が炸裂している。ただ、弟子のフェルンとどれくらい差があるかはまだ分からない。

 続く展開で、過去に親しかった人の幻影が現れ、人を惑わす森の中でフリーレンが魔法を放つ場面でも、それほどの威力を感じさせない。こうした認識が、アイゼンの弟子だったシュタルクをパーティに加えて入ったグラナト伯爵領で激変する。魔族と出会って見せるフリーレンの冷たい目と、その後の振る舞いに、仲間のヒンメルを思って泣いたフリーレンの、敵に対する“本性”を知ることになる。

 空前絶後の強さを誇る魔法使い。そんなフリーレンの顔が浮かび上がってくる展開。同時に、“葬送のフリーレン”というタイトルの意味にも気づかされる。

 魔王が倒された後も残っている魔族を相手に、フリーレンの力が振るわれる場面が、何度も繰り返し登場して、1000年を生きた魔法使いの凄まじいばかりの強さを見せつけられる。フェルンやシュタルクも共に戦って、さすがはフリーレンの弟子であり、アイゼンの弟子だといったところを見せてくれる。

 まるでバトルファンタジーといった面白さが、TVアニメを観ていった先で描かれることになる。どのような映像になるだろう。音楽はどうなっているだろう。今から興味は尽きない。

 一方で原作の方は、長い中断を経てようやく動き始めたところだ。老いぼれてしまったヒンメルの、若くてイケメンだった上にしっかりと勇者だったそのキャラクターに、改めて触れられる展開だけに、アニメになって岡本信彦のイケボイスで観てみたい。連続2クールの放送でそこまで行くのか、一級魔法使い試験で止まるのかは分からないが、いずれにしてもアニメ化はされると信じつつ、今は原作が描かれ続け、魔王城のあるエンデまでたどり着いた一行が、ヒンメルと“再会”する場面を待ち望もう。

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