【ライトノベル最新動向】12カ月連続刊行"ダンまち"シリーズ、ランキングを席巻!
本編の流れを補いつつ、キャラクターたちのへの思いをふくらませてくれるサイドストーリーがほかにもランクイン。第8位の安里アサト『86-エイティシックスーAlter.1 -死神ときどき青春ー(13)』(電撃文庫)は、人類と戦闘機械との苛烈な戦いが続く本編を少し離れて、シンやレーナといった登場人物たちのちょっとした日常に触れられるショートエピソードが満載。ジャージにTシャツ姿で胸に「レーナ」とゼッケンをつけてダイエットのための運動に励むレーナに出会える貴重な1冊だ。
ランキング1位の佐島勤『続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー(6)』(電撃文庫)、4位の木野咲カズラ『誰かこの状況を説明してください! ~契約から始まるウェディング~ 8』(アリアンローズコミックス)、5位の浅葉なつ『神様の御用人 継いでゆく者(11)』(メディアワークス文庫)、6位の日向夏『薬屋のひとりごと13』(ヒーロー文庫)は、いずれも人気シリーズの最新刊。安定した人気ぶりを見せている。
単独でのランクインが、16位のみやしろちうこ『光の君』(星海社FICTIONS)。『緑土なす』シリーズの作者が『希有なるオメガと石の上の花』に続いて同じレーベルから出したファンタジーで、虚弱な光属性の魔術師ミーゲレイルが、光の神の神殿に仕える神官アーモスから「光の君」であると告げられたことで、その運命を大きく変えていく。
ミーゲレイルには傭兵団団長をしているスターレイという名の育ての親がいる。まだ28歳の男性で、ある事情から12歳で故郷を離れ、魔物を討伐する仕事を請け負っていた16歳の時に、魔物に襲われた村で幼子だったミーゲレイルを拾い育てて来た。そうした経緯や、病弱な自分を守ってくれたことからミーゲレイルは、スターレイに父親というだけではない感情を抱いていた。
自分が「光の君」だと判明し、教団から崇められ王族からその実を求められるようになればなるほど募るスターレイへの思いが行き着く先は? 胸を焼くような恋情のほとばしりを感じ取れるファンタジーだ。
Snow Manの目黒漣主演で映画化されて、20億円を超す興行収入をあげる人気ぶりを見せている顎木あくみのシリーズ最新刊『わたしの幸せな結婚6』(富士見L文庫)は24位、1月から3月までTVアニメ化された佐伯さん『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』(GA文庫)は第6巻が17位、第5巻が20位、第7巻が22位、第8巻が28位と依然好調。TVアニメが春シーズンに移ったことで、話題となる新作アニメが原作付きなら、次のランキングに反映されそうだ。