アニメ『とんスキ』の異世界料理は「ジビエ+市販の調味料」で再現可能? 今後期待されるコラボ企画を考察

 人気ライトノベル&コミックを原作としたアニメ『とんでもスキルで異世界放浪メシ』(とんスキ)が1月10日深夜より、テレビ東京ほかで好評放送中。かつてなかったグルメ作品で、アニメから派生した今後の展開が楽しそうだ。

 『とんスキ』は異世界に転生したごく普通のサラリーマン・向田(ムコーダ)が、「ネットスーパー」というスキル(※現実世界から商品を取り寄せられる能力)を武器にサバイブしていく物語で、アニメ版では大手企業の協力のもと、実際に存在する商品が登場。第一話では、エバラ食品の「生姜焼のたれ」でレッドボア(※異世界に存在する、赤毛の巨大な猪)の肉を調理する様子が描かれ、その“飯テロ”ぶりが話題になった。エバラ食品の公式Twitterには、さっそく「生姜焼のたれ」を購入したという視聴者の声が届いている。

 ちなみに、1月17日24時より放送の第2話では、「ロックバードの照り焼き」「レッドボアのステーキ」「レッドボアのステーキ丼」の3品が登場することが予告されている。『とんスキ』には、スイーツを中心とした菓子や菓子パン、スーパーの惣菜なども登場するが、「異世界の食材×市販の調味料」が基本となり、今回もエバラ食品の商品が活躍しそうだ。放送後には「ロックバード」を鶏肉に、「レッドボア」を豚や牛肉に置き換えて再現するファンが続出するかもしれない。

 さて、期待される今後の展開として、多くの人気作のように「飲食店とのコラボ」が挙げられる。実際に2月1日~28日、サンシャインシティプリンスホテル「カフェ&ダイニング Chef’s Palette」にて、コラボレストラン企画が行われることが発表済みだ。具体的なメニューは近日発表になるが(1月中旬解禁予定)、公式コラボということでアニメで描かれた市販の調味料が使われる可能性が高い。とはいえ、エバラ「生姜焼のたれ」と豚肉……ではただの生姜焼きなので、レストランだからこその付加価値も考えると、「ジビエ+市販の調味料」を中心に据えればグッとリアリティが出そうだ。コストや万人受けを考えると難しいかもしれないが、「味付け」が家庭で簡単に再現できるだけに「食材」の工夫に期待してしまう。

 一方で、『とんスキ』から派生した調味料やコラボ商品が生まれることも考えられる。レッドボア専用の焼肉ダレや、女神ニンリルが思わず加護を与えるアンパンなど、企画商品が出れば試してみたい人は少なくないだろう。『とんスキ』と同じく、現実に存在する商品が登場した人気漫画&アニメとして、駄菓子屋を舞台にしたコメディ『だがしかし』があり、こちらは「おやつカンパニー」や「やおきん」とのコラボ商品が話題を呼んでいた。

 映像作品にさりげなく実際の商品や企業関連の情報を映す広告手法を「プロダクト・プレイスメント」と呼んだりするが、実在企業がスポンサーとして登場するヒーローアニメ『TIGER & BUNNY』や、上記の『だがしかし』などと同様に、『とんスキ』も高い宣伝効果を生むだろう。そのなかで、現実と作品の境界が曖昧になるコラボ企画も含めた、“おいしい”相互作用に注目したい。

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