「#わたしを作った児童文学5冊」で蘇る児童文学への記憶 ファンタジーへの親和性高め読書への自信をつけさせる役割

 プロの作家の反応もあって、第2回『このライトノベルがすごい!』大賞の優秀賞を『R.I.P. 天使は鏡と弾丸を抱く』で受賞し、英国を舞台に日本人留学生の少年と妖精との関わりを描く「英国幻視の少年たち」シリーズなどを発表してきた深沢仁は、『おちゃめなふたご』(ブライトン)、『冒険者たち』(斎藤惇夫)、『はてしない物語』(エンデ)、『若草物語』(オルコット)、『長くつ下のピッピ』(リンドグレーン)と海外作品の名作を中心に挙げていた。

 『はてしない物語』は岩波少年文庫版ではなく単行本として読み通し、「『これから自分はどれだけ長い物語でも読めるぞ』と自信満々になりました」とのこと。読みやすさで作品世界に引きずり込んで離さない児童文学は、楽しさと共に読書する自信ももたらす。

 ハッシュタグで幾人かが挙げていた絵本『くまのがっこう』の作者、あいはらひろゆきが、先だって亡くなられたとのこと。20周年を迎えて盛り上がっていただけに残念だ。ただ、『妖怪アパートの幽雅な日常』『地獄堂霊界通信』などが挙がっている香月日輪も、2014年に亡くなりながらしっかりと記憶に刻まれている。

 名作は、手に取る機会さえあれば読み続けられるもの。その意味で、児童文学に触れる機会を作り続けてくれている図書館は、作家を育て作品を残し文学を生かし続ける上で最重要の場所だということも、ハッシュタグから感じ取れた大きなことだと言えそうだ。

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