【ONE PIECE考察】魚人島、空島、マリンフォード頂上戦争……未回収の伏線は? 最終章前に読み返すべきエピソード
※本記事は本誌最新話の内容に触れる部分があります。
『ONE PIECE』は最終章に向けての休載期間に突入し、同時に原作1巻から92巻の無料公開を開始した。ファンにとっては嬉しいこのキャンペーンをきっかけに、好きなエピソードを読み返す読者も多いだろう。
そこで今回は来る最終章に向け、今だからこそ読み返したいエピソードを、ワンピース研究家の神木健児氏に聞いた。
「作中のエピソードで1番謎を残しているのは、魚人島編だと思います。私の中では終わった気がしていないんですよね。魚人島に太陽の光を運ぶ陽樹イブ。この樹の正体も未だ判明していません。またジョイボーイとの約束のため守られてきた巨船ノアが、何に使われるかも具体的には描かれていないです。そもそもジョイボーイの名前が初めて登場したのも、魚人島編でした。そして1番大きな謎が、マダム・シャーリーの予言です。シャーリーが麦わら帽子を被った人間が魚人島を滅ぼすと予言し、人魚誘拐事件も起こったことでルフィたちは追われる身となりました。そんな彼女の予言がまだ解決していないんです。そもそもシャーリーは麦わら帽子でルフィを連想していましたが、それが確実にルフィかはわかっていない状態でした。たしかにアニメでは、完全にルフィの姿で描かれています。しかし直近では、自分自身を占っていたと判明したホーキンスの1%の予言が、アニメでは完全にドレークで描かれていた例もありました。アニメで完全に再現するのは難しいと思うので、原作の今が大切なのかなと思います。そうなると麦わら帽子が指し示すのは、ルフィではない可能性も十分にあります。もしルフィだったとしても、良い意味で滅ぼすのではないかと考えるのが妥当だと思います。でもシャーリーの予言は的中率が高く、悪い予言はやはり悪い予言として的中しているんです。ルフィが本当に悪者となってしまう未来がやってくるのか。間違いなく今後の展開の鍵を握ると思います」
終幕もみえてきたこのタイミングで、作品序盤に描かれたあるエピソードの注目度が上がっていると神木氏は話す。
「太陽の神・ニカが出てきた段階で、一気に注目度が上がったのが空島編です。実は空島編で、太陽の神という言葉がすでに登場しているんですよね。それは過去回想の、生贄の祭壇にムースが献上されるシーンです。このときに太陽の神が出ているんですが、それに並んで雨の神、森の神、大地の神の名前も描かれています。偶然とは思えないので、後にこの3人の神が宿る悪魔の実が登場しても不思議ではありません。またエネルが見た壁画の真相の解明も近いと思います。そうなってくると、気になるのが青い星の外の存在ですよね。ルナーリア族の存在もありますし、読者の中では五老星が違う星から来た生物なのではという考察もあります。月や太陽との関係性など青い星外の話が出れば、空島編はさらに重要になるでしょう」
最終章では、巨大な戦いが描かれるとすでに判明している。規模の大きな戦いと言えば、誰もがあのエピソードを思い浮かべるだろう。