最高のバディもの? 『ショーハショーテン!』から『恋はネタ作りの後で』まで、お笑いコンビを描いた漫画が熱い

『恋はネタ作りの後で』

 昨年のM-1ファイナリストのゆにばーすやキングオブコントファイナリストの蛙亭など、新しい世代の男女お笑いコンビが続々と頭角を現している今こそおススメしたいのが、お笑い男女コンビ漫画『恋はネタ作りの後で』。作者は寺岡さこ。

 売れないピン芸人のかおるは、お笑い好きの爽やか系サラリーマン・空野晴巳と出会い、ひょんなことから漫才コンビを組むこととなる。より多くの人たちへ笑いを提供しようと奮闘する日々の中で、かおるは徐々に晴巳に恋心を寄せていく。そんなかおるが晴巳という仕事のパートナーとの恋愛に悩む……お笑いラブコメなストーリーが展開される。

 最初はドライにテキパキとネタの指導をする晴巳が、徐々に人間らしさを帯びていくのが、本作の見どころではないだろうか。お笑いに実直で、自身の恋心すらも笑いに昇華させようとするかおるの情熱は、徐々に晴巳の心を動かしていく。そんな晴巳への恋心と、人を笑わせたいという気持ちの狭間で揺れる、かおるの恋模様にも注目だ。全2巻。

 ここまで紹介してきた作品はそれぞれ、サクセス、日常、ラブコメと、同じお笑いをテーマにしていながらも、それぞれ全く違った物語が展開される。一方で、どの作品にも共通しているのがコンビとしての成長を描くバディものだという点だろう。運命を共にし、高い壁にぶつかりながらも、夢の舞台に立つために切磋琢磨し続けるお笑いコンビの姿にグッときてしまう。我々がM-1グランプリの優勝シーンで感動してしまうのは、きっとそんなコンビの物語をテレビの向こうに見てしまうからだろう。果たして漫才コンビほど、濃密な関係性を持つバディというモチーフがどれだけあるだろうか。今回取り上げた各作品の今後の展開とともに、新たな名作の誕生にも期待したいところだ。

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