『ザ・ファブル』謎の芸人「ジャッカル富岡」とは何者なのか? 不思議な魅力を考察

 緊張感溢れる殺伐としたシーンと脱力系の日常シーンのギャップが人気の漫画『ザ・ファブル』。そんななか、作品に「お笑い」のエッセンスを注入しているのが、謎の芸人「ジャッカル富岡」である。

 作中で三流芸人と称されながらも、CMや昼ドラに出ているこの男は、一体何者なのだろうか。

ジャッカル富岡は何者なのか?

 ジャッカル富岡が初登場したのは1巻。佐藤明が5人を殺害して洋子の待つ車に戻ると、カーテレビをつけることを要求。テレビに映し出されたジャッカルが「こんな仕事を聞いてないよ」とインタビューを受ける様子を見て、明は大笑いしていた。

 その後、ジャッカルは消臭スプレー「邪狩」のCMに登場。「これにはジャッカルもビックリ。トイレにひと吹き、嫌な匂いをすべて」と話すと、自分にスプレーをかけ、「なんで俺もやねん、なんで俺もやねん」と叫んでいた。なおこのCMは「バイキンめ、ジャッカル除菌!」と叫ぶタイプなど、複数パターン用意されていた。

 このフレーズは後に代表ギャグとなったようだった。また、「愛という名のウィークデー」というかなりドロドロとした、現在では放送できないような愛憎劇を繰り広げるドラマに出演した。

 山岡との戦いが激化するに連れジャッカル富岡の出番は減少。ほとんど語られることなく、第一部が終了する。ところが第二部になり、ジャッカル富岡はワイドショーと思われる番組に「芸人コメンテーター」として登場。一緒に暮らしているミサキと明を驚かせた。

ジャッカル富岡をこよなく愛す佐藤明

 ジャッカルをこよなく愛していたのが、佐藤明である。前述の第1巻で仕事を終えボスの待つ部屋に戻り様子を聞かれた洋子は「いつも通り。ジャッカル富岡見て笑っているのもいつも通り」と語っており、これまでも殺しの仕事の後には必ずのようにジャッカル富岡を見ていたことを伺わせている。

 大阪移住後もジャッカル愛は衰えず、出演するドラマなどをつねにチェック。「笑うときはジャッカルだけかも」と語り、デザイン会社のオクトパスに入社する際の履歴書には趣味の欄に「ジャッカル」と記載していたほど。

 また、第二部でも一緒に暮らすミサキに「ときどき寂しそうな顔をする」と指摘され、「ジャッカルがテレビに出ないのがかなり寂しい」と語っていた。理由は不明だが、明がジャッカルをこよなく愛していることは間違いない。

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