麒麟・川島明の“タグ大喜利”から伝わる、芸人同士の関係性 バイきんぐ小峠の反応は?

 黄色い表紙に、芸人の顔写真が並んでいる。ブラックマヨネーズ小杉の写真の下には「#インドネシアのたばこを吸う赤ちゃん」、南海キャンディーズしずちゃんの写真の下には「#あなたもボールペン字講座始めませんかのチラシ」と書かれており、なるほどそういうことか、と理解する。

 お笑いコンビ・麒麟の川島明がInstagramでコツコツと書き溜めてきたタグ大喜利が『#麒麟川島のタグ大喜利』として一冊の本になった。芸人の顔写真の下にセンスあるタグがずらりと並ぶ様は圧巻。ページをめくるごとに笑ってしまうタグの魅力にどんどん取り込まれていく。

 今回掲載されている写真は全て川島自身が撮影したもの。親しい仲間に撮られた写真はどれもふっと気が抜けていて、メディアで見る表情とは違った芸人の姿がそこにある。本書はInstagramで川島が投稿していたタグに書き下ろしを加えており、既存のインスタファンも新たに楽しめる内容になっている。

 人によってはこのテーマで全部いけるな、と川島が思ったものは縛りが存在しているものもある。ハライチ澤部の写真の下に並ぶタグはこうだ。

#このあとどうするが自然に言えない童貞
#ギザ10を瓶に貯めてる童貞
#グラビアアイドルの事をクン付けで呼ぶ童貞

 この縛りで全ていける、と判断された澤部の下には様々なシチュエーションの童貞が並ぶ。ここまで「童貞」をゴリ押しされると本当にそう見えてくるから笑ってしまう。結婚して子どももいるのに。そして、散々童貞をいじり倒した後にこう締めくくる。

#どんな企画も成立させる名キャッチャー

 タグ大喜利の一番最後の行は、川島からその芸人への愛のメッセージとなっている。タグを読んだ本人からのコメントも掲載。お互いに尊敬しあってるからこそ生まれる、関係の温かさが伝わってくる。

 タグ大喜利をずっと読んでいくと、合間に「しばしご歓談」というコーナーが現れる。タグ大喜利を始めることになった経緯、タグ大喜利を続けていこうと決心するきっかけになったとある先輩芸人の言葉、タグ大喜利を作っていた際に起きたハプニングなど、この本ができあがるまでの紆余曲折が短いエッセイで綴られている。特に印象深いのは和牛のふたりとバイきんぐ小峠の話だ。

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