事故物件住みます芸人・松原タニシが語る、異界巡りのリアル 「心霊スポットは単に怖いだけじゃない」

怖いものを求めている人には肩透かし?


――本の話に戻ります。現在も続く異界巡りですがが、本に載せたエピソードはどんな基準で選んだのですか?

松原:載せたのは全部です。先ほども言いましたが、行った場所で必ず何かが起きるわけじゃないんです。怪談を紹介したいのではなく、それよりも行って見たものを記録として残したいなと。実はもともと、『恐い旅』は書籍化の予定もなくて。『恐い間取り』を出したときに「二冊目の“間取り”を書きませんか?」という話があったんですが、(ネタが)ないです!と(笑)。僕が住んでるだけでもそんなに書けないし、話も集まらないので。それだったら心霊スポットに沢山行っているから、そっちを書かせて下さいとお願いしました。

――『恐い間取り第二弾』が刊行される可能性は?

松原:今年の夏頃発売予定です。先日執筆風景を生配信してやっと脱稿できました。

――『恐い旅』を読んでいると、実際に行った異界に関するエピソードは1~3ページほど。文章も非常にユーモラスで、テンポの良さを感じました。

松原:怖いものを求めている人からすれば、肩透かしだと感じる場合もあるかもしれません。でも心霊スポットは単に怖いだけじゃない、というのを書きたかった。タイトルは『恐い旅』となっていますけど、一風変わった旅行記というイメージです。

――誇張なく書かれているからこそ、リアリティがあって身近に感じられるのかもしれません。

松原:僕は性格が悪いので、怪談でも矛盾点ばかり探しちゃうんですよね(笑)。そうなると、自分でも矛盾があるものを書けなくなってしまうので、ありのままを書くしかないんです。

――怪談の矛盾にスポットを当てているところが、これまでのホラーコンテンツになかった特徴だと感じています。そして今夏『恐い間取り』が映画化されるそうですね。

松原:亀梨和也さん主演でビックリです(笑)。中田秀夫監督とも顔合わせをしましたが、どんな作品になるか楽しみです。

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