さらさ、なぜ“ブルージーに生きろ”を掲げるに至ったのか 「直感に嘘をつかない」人生観のルーツ、感情表現の広がり

「選んだほうを正解にすればいい」ーー日々の中で大事にしていること
ーーここまでルーツについて遡って聞かせてもらったので、現在のさらささんについても聞きたいなと思うんですけど、今、日々の中で何を大事にしていますか? ……そう聞くと、やっぱり答えは「ブルージーに生きろ」になりますよね。
さらさ:でも「ブルージーに生きろ」って、一歩引いたときに見えてくる考え方じゃないですか。(悲しんだり落ち込んだりしている)渦中は、「もうしんどい」「もう嫌だ」とか、私も悲観的になっちゃうんですよ。でもそれを繰り返しているうちに、ネガティブなことって、何かが好転するときの副作用なんだなというふうに考えられるようになりました。じゃあ日々の中では何を大事にしているのかなって考えるとーー制作においても、人生単位においても、自分の直感や感情に嘘をつかないということだと思います。自分の気持ちが大事で、後先を考えないタイプ。だから大学も半年くらいでやめたんですよ。
ーーそうやって人生の道を直感や感情で選択してきて、後悔したことはないですか?
さらさ:今のところはないです。選んだほうを正解にすればいいやと思って生きているので。感情に素直ということは、逆に言えば、たとえば「私は○○だから大学をやめられない」とか、いろいろ理由をつけたりはしないということで、環境や人のせいにしないタイプだと思うんです。だから後悔がないのかも。失敗しても、失敗だと思ってないんですよ。自分がしたかったことだから、失敗しても「これで気づけてよかったな」「次はこうしてみようかな」というふうに考えられて、そこからの軌道修正や切り替えは早いですね。
ーーその考え方を聞いて、背中を押されるような気持ちになる人がいるんじゃないかなと思います。逆にどういうときに、自分は弱いなって思いますか? または、どういう場面でブルーになりますか?
さらさ:弱いところ、いっぱいあるなあ。感受性が豊かすぎて、考えすぎちゃったり、気にしなくていいところまで気にしすぎちゃったり、先のことを頭でシミュレーションしちゃったり。「こう」って思ったらすぐに決めるんですけど。繊細すぎるところもすごくあって、疲れやすいかもです。

ーー気にしちゃうというのは、たとえば自分の作品の完成度のことなのか、もしくは周りの言動に対してなのか、どういった類ですか?
さらさ:その人の気持ちを汲み取ろうとしすぎたり。いろんな人の表情や行動を敏感に見ちゃって、それを自分の中に取り込んじゃう。「気にしないでおこう」って、ちょっとずつできるようにはなってきているんですけど、まだまだ過剰に気にしすぎているところがありますね。思考だけじゃなくて、大きい音や人混みも苦手だったりするので、とにかく受け取りすぎちゃうんだと思います。
ーー最近、どんなことに怒りました? 言葉を変えると、どういうことに「許せないな」という感情が湧きますか?
さらさ:よく「怒りん坊」って言われます(笑)。大事にしているものが強くないと、「NO」という気持ちは出てこないじゃないですか。だから守りたいものが多いんだろうなとは自分でも思うんですけど。いつも何が嫌なのかなって思うとーー失礼な発言とか、すごく嫌ですね。「それって、男には言わないよね」「女だから言っているよね」とか、そういうことに一個一個怒ってる。それが自分じゃなくて、自分の好きな人、友達、家族とか、大事な人に対して向けられていても「え?」ってなります。
ーー勝手に、自分と近いものを感じます(笑)。ちなみに、私も今茅ヶ崎に住んでいるんですけど、さらささんが茅ヶ崎で生まれ育ったからこそ持っている価値観ってあると思いますか?
さらさ:気づいてなかったんですけど、最初に「ネイルの島」という曲をリリースしたときに「海を感じる」みたいなことを言われて、そこで自覚的になりました。自分の育った土地や環境はアイデンティティに深く関係しているんだなということに、外側からの指摘で気づき始めましたね。

ーー茅ヶ崎出身のシンガーソングライターでも、そこまで海を感じさせない音楽を作っている人もいると思うんです。でも、さらささんの場合、新しいEPの曲でいえば「KAMINARI」や「青い太陽」が顕著ですけど、自然を大切に思っている姿勢がそのまま歌や歌詞になっていますよね。
さらさ:父親の仕事の関係で、生後半年の頃から中学校に上がるくらいまでは毎年、冬のあいだはハワイのノースショアあたりに1軒家を借りて、会社がスポンサードしているプロサーファーの子たちと合宿していたんですよ。しかもハワイと言っても、波がいい海とスーパーしかないような自然の中で。そういう経験も、自分のアイデンティティに根づいているのかなと思います。
ーーそういった環境の中で、人間の生命と自然は密接に関わっているという思想がナチュラルに身についた感覚ですか?
さらさ:そうですね。ずっとフラダンスをやっていたことも大きいのかなって、今になると思います。古典フラだと、植物で衣装を作ったり、踊りも森羅万象の神に捧げるとか、そういうことが当たり前で。そういうお話をたくさん聞いて育っているので、「人は自然の中で生かされているよね」みたいな感覚があるのだと思います。



















