lynch.「この先によりよい未来があるのならば」 到達した“最高潮”=『CLIMAX』、その先に続いていく5人の道
とにかくわかりやすくlynch.らしいものにしたかった(葉月)
――この楽曲たちがライブでどう育つのかも楽しみのひとつになりそうです。「SILENCE」と「A.C.H.E.」は、デモから作っていった曲を並べて、そのあとから作っていった曲になりますよね。特に「SILENCE」は、シンプルな構成でキャッチーさに全振りしたような楽曲で。LUNA SEAでいう「WISH」のような、全部がサビみたいな曲だなと思って。
葉月:まさしく、そういう曲を作ろうと思って作りました。始まった瞬間に「これ、Aメロなの?」っていう曲にしたいという発想から作ったので、生まれ方はなかなか珍しい曲で。
――サビ始まりのようなキャッチーさがありますもんね。
葉月:もともと歌で押していく曲を作りたいなと思っていたんです。イントロで鳴ってるコードからこの位置関係のコードに行くというのは、本来サビ始まりの曲とかで使う展開だけど、実際にはAメロがくるというのも渋くて気に入ってます。
――「A.C.H.E.」は『CORKSCREW』の頃の黒夢を彷彿とさせるパンキッシュ/ロックンロールなイントロだなという印象です。
葉月:たしかにそうですね。こういう明るいハッピーなパンクチューンは昔からほしかったんです。それこそ、ライブでもギタリストがイントロを弾き出して、そこにスポットライトが当たって、お客さんが「ギャー!」ってなる画まで浮かんでいるのに、ド頭のギターの単音がずっと浮かばなくて。
――長年そのギターを探していたんですね。
葉月:そう。今このタイミングでやりたいなと思って、あらめて音を探していたら、まさかのただ単音を16分で弾くのがいちばん面白かったという。
――この曲の持つ雰囲気が『CLIMAX』のカラッとした雰囲気を作っているように思いますし、歌詞の不撓不屈の精神もlynch.らしいなと思います。そういった意味では、明徳さんはこういったパンクチューンは得意分野ですよね。
明徳:そうですね。もともと僕は黒夢も好きですし、明るくてカラッとしたものが好きなのでハマリはよかったです。サビ裏のフレーズなんかも一瞬で浮かんだので、違和感なく曲の世界に入れたと思ってます。
葉月:僕と同世代のヴィジュアル系好きな人は好きなはずです。偏見ですけど(笑)。
――(笑)。「BRINGER」は今作唯一の既発曲。そして、「ZEALOT」でアルバムを締めくくるわけです。「BRINGER」は個人的にはアルバムに収録されると思っていなかったのですが、通して聴くと納得というか。新曲群のなかにあるとこんなにも聴こえ方が違うんだなと。
葉月:もともとアルバムに入れるつもりではいたんですけど、置き場所には悩みましたね。
――「ZEALOT」は悠介さん作曲ですが、これまでの2曲とはまた質感の違う曲ですね。
悠介:この曲は、今回の制作期間で作った曲です。ヴィジュアル系っぽさもありつつ、古のテイストも出しつつ、その時に聴いていた音楽なんかも反映させながら、提出したほかの2曲とは違った色のものを出せるように作っていきました。
――最近のlynch.のアルバムはバラードや歌モノでしっとり終わることが多かったですが、こういう終わり方は久しぶりだな、と。
葉月:僕のなかでは「PHOENIX」や「MARROW」の立ち位置ですね。突然バツって終わるのが好きで、デモを聴いた時から「この曲がラストだな」と思っていたし、そのつもりで歌詞も書きました。
――とはいえ、「A.C.H.E.」から「BRINGER」の流れで新たな未来へのスタートを切って、そこで終わる方が収まりがいいはずなのに、あえてこの曲で終わるのがlynch.らしいですよね。
葉月:モヤモヤを残したかったんです。「BRINGER」で気持ちよく終わったのに〈死して眠れ〉って言われて終わるんだ……みたいな(笑)。その何事もうまくいかないことを含めて“命”であり、“人生”って感じがして。
玲央:僕の個人的な感覚として、この曲があることでまた「INTRODUCTION」に戻れると思っているんです。「BRINGER」で終わるときれいにまとまってしまうというか。なので、葉月が曲順のセレクトを持ってきた時に「なるほど!」と思わされました。「こうしてもう一回頭から聴けるように組んだのか!」って。合ってる?
葉月:……そこまでは考えてなかったです(笑)。
――(笑)。そして、この10曲をもって『CLIMAX』というタイトルを冠したわけですが、このタイトルは最後につけたんですか?
葉月:最後につけました。深い意味は特になくて、とにかくわかりやすくlynch.らしいものにしたかったんです。ほかに『ZEALOT』という案もあったんですけど、パッと見で読めなかったりするので、誰でも読める『CLIMAX』になりました。ちょっとダサいかもしれないけど、意味も強いし覚えやすい。それに、辞書を引いたら“性的絶頂”という意味もあることを知って。それもまたlynch.らしいし、クサいだけじゃないB級感のある意味を持っているのもいい気がしたんですよね。
――あらためて、『CLIMAX』はどんな作品になりましたか。
晁直:コンパクトなんだけど内容は過去イチ凝縮していると思っています。30分なのに満足感満点みたいな作品だな、と。
明徳:20年超えのバンドとしてわかりやすい名刺ができたと思っています。「lynch.ってどんなバンド?」って聞かれたら、これからはこの音源を聴かせれば間違いないと言える作品ですね。
――7月からはツアー『lynch. TOUR'26「IGNITE THE CLIMAX」』が始まります。
悠介:夏場に出る作品として胃もたれしないさっぱりした作品だし、この短さが今どきっぽいですよね。それに、やっぱりlynch.というバンドの売りはライブだし、音を聴いて「ライブに行きたい」と思わせられる作品を作れたと思っているので、ぜひツアーに遊びにきてもらって体を動かして汗をかければいいなと思います。
――終わりを意識したことで、かえって未来に向けたポジティブな力が宿った作品になったのが『CLIMAX』だと思っていて。それを踏まえると、lynch.のこれからの未来はどうなっていきそうですか?
玲央:終わりを意識することで悲観的になるのか、前に進む勇気を持つのかが決まると思っているんですけど、「BRINGER」の歌詞にもあるように、あと何年続けられるかわからないからこそ湧き上がってくるエネルギーってやっぱりあるんですよね。それは僕が最年長だからこそいちばん強く感じるところでもあって、だからこそあらためてもっと前に進みたいという気持ちは強く持っています。
――まだまだlynch.に期待できそうでうれしいです。
玲央:そういった意味では、これまでの活動とこれからの未来に向けてブレない姿勢を形にしたこの作品を作れたことが嬉しいです。だからこそ、着実に前に進んで、さらに大きな会場でもコンスタントにやれるんだという可能性を感じてもらえる作品でもあると思っているので、多くの方に届けたいですね。
――以前のインタビューで「あらゆる数字を総合してみたときにいちばん良かった時期とされる『XIII』の頃を超えたい」(※2)と葉月さんが言っていたことがあって。あの時の快進撃は『EXODUS-EP』と『GALLOWS』の流れから始まったといっても過言ではなく、今のlynch.から感じる自信や雰囲気、何かがカチッとハマった感覚はあの時に似たものを感じるんですよね。この先の未来でlynch.の“最高潮”=“CLIMAX”があると思っていいですか?
葉月:めちゃくちゃわかります。たしかに、今回の『FIERCE-EP』から『CLIMAX』の流れは、あの時に似ていますよね。ただ、活動休止から『REBORN』、『FIERCE-EP』とやり方を模索してきて……すごく悪い言葉だけど、ストレスが限りなくゼロになってきていて。言ってしまえば、やっとノンストレスで楽しく好きなようにできているなという感覚があるんです。だからこそ、『CLIMAX』というめちゃくちゃいい作品ができたと思っているし、この健全な状態を続けていければいいなと思っていて。
――「無理なく、楽しく、健やかに、感謝しながらlynch.をやりたい」(※3)と言っていましたもんね。
葉月:そうそう。このまま続けていくだけ。この先にlynch.のよりよい未来があるのならば、それは最高なことだと思います。
※1:https://realsound.jp/2025/09/post-2166814.html
※2:https://realsound.jp/2024/06/post-1701934.html
※3:https://realsound.jp/2023/02/post-1268261.html
■リリース情報
NEW ALBUM『CLIMAX』
発売中
配信URL:https://king-records.lnk.to/climax
初回限定盤(CD+Blu-ray)
https://www.kingrecords.co.jp/cs/g/gKICS-94256/
6,600円(tax in)/KICS-94256
特殊パッケージ仕様:OUTER CASE / DIGIPAK
通常盤(CD only)
https://www.kingrecords.co.jp/cs/g/gKICS-4256/
3,500円(tax in)/KICS-4256
<CD>
01. INTRODUCTION
02. CLIMAX
03. ICE
04. PARASITIC E.D.E.N
05. GERO
06. PRISM RAY
07. SILENCE
08. A.C.H.E.
09. BRINGER
10. ZEALOT
<Blu-ray>
・"ICE" MUSIC VIDEO
・MAKING OF "ICE"
■ツアー情報
『lynch. TOUR'26「IGNITE THE CLIMAX」』
7月12日(日)大阪BIGCAT
OPEN 16:15/START 17:00
7月18日(土)帯広MEGA STONE
OPEN 16:30/START 17:00
7月20日(月・祝)札幌cube garden
OPEN 16:30/START 17:00
7月21日(火)札幌cube garden
OPEN 18:30/START 19:00
7月25日(土)静岡SOUND SHOWER ark
OPEN 16:15/START 17:00
8月8日(土)岡山CRAZYMAMA KINGDOM
OPEN 16:15/START 17:00
8月9日(日)松山SALONKITTY
OPEN 16:30/START 17:00
8月11日(火祝)高松Olive Hall
OPEN 16:30/START 17:00
8月21日(金)長野CLUB JUNK BOX
OPEN 18:30/START 19:00
8月23日(日)新潟LOTS
OPEN 16:15/START 17:00
8月28日(金)仙台RENSA
OPEN 18:15/START 19:00
8月29日(土)郡山Hip Shot Japan
OPEN 16:30/START 17:00
8月31日(月)Zepp Shinjuku(TOKYO)
OPEN 18:15/START 19:00
9月4日(金)横浜BAY HALL
OPEN 18:15/START 19:00
9月10日(木)京都MUSE
OPEN 18:30/START 19:00
9月12日(土)名古屋DIAMOND HALL
OPEN 16:15/START 17:00
9月26日(土)福岡DRUM LOGOS
OPEN 16:15/START 17:00
9月27日(日)熊本B.9 V1
OPEN 16:15/START 17:00
<チケット>一般発売中(ローソンチケット/イープラス)
オールスタンディング:7,700円(税込/D別)
※未就学児入場不可
※公演中止・延期以外の払い戻しは原則行いません
※チケット忘れ・紛失の場合、いかなる理由であってもご入場をお断りします(再発行不可)
lynch. オフィシャルサイト:https://pc.lynch.jp/
X:https://x.com/lynch_staff
YouTube:https://www.youtube.com/@lynch.Official