新着MVランキング:米津玄師、『MAJ』パフォーマンスビデオ首位 「IRIS OUT」が放つ鮮烈な視覚効果
MV Chart Forcus
毎週更新される「YouTube Music Charts」ウィークリー ミュージック ビデオ ランキングより、MVをはじめとした音楽関連の新着動画から上位10作品/楽曲を取り上げ、ランキング化&レビューしていく連載「MV Chart Focus」。6月12日〜6月18日のウィークリー新着のTOP10は以下の通り(※1)。
1位:米津玄師「IRIS OUT」from『MUSIC AWARDS JAPAN 2026』
2位:M!LK「真・運命 (曽野舜太&山中柔太朗)」MV
3位:Fujii Kaze「Prema」from『MUSIC AWARDS JAPAN 2026』
4位:≠ME「愛くださいませ」MV
5位:LE SSERAFIM x ILLIT x KATSEYE「ICONIC BY MISTAKE」MV
6位:米津玄師「烏」MV
7位:なとり「Puppet」MV
8位:CUTIE STREET「キュートなキューたい」from『CDTVライブ!ライブ!』
9位:JI BLUE「景色」THE FIRST TAKE
10位:BTS「Come Over」Lyric Video
今週の1位は、先日開催された『MUSIC AWARDS JAPAN 2026』(以下、『MAJ2026』)で披露された米津玄師「IRIS OUT」のパフォーマンスビデオだ。
ひな壇の上で平面性を強調するように並ぶダンサーと米津によるマスゲーム的なパフォーマンスは、4月に公開されて話題を呼んだGENER8IONとヤング・リーンのコラボレーション作品「STORM starring Yung Lean」後半の印象的なシーン(男子学生たちによる記念撮影のシーンが、躍動的なパフォーマンスの舞台になる)を思わせると話題にもなっていた。とはいえ今回のパフォーマンスは、『MAJ2026』に合わせたであろう赤白ツートーンの衣装による強い視覚的な効果や、きびきびとしたズームイン/アウトを使って画面構成に絶えずアクセントを加えるカメラワークのおかげで、全体的な印象はだいぶ異なっている。
間奏を挟んだ終盤では、『第76回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)でのパフォーマンスに続いて今回もサメライドが登場。真正面に堂々と掲げられたトヨタ自動車のロゴとエンブレムが画面に大写しになるシーンも賛否を巻き起こしているが、あまりにこれみよがしの配置と映し方というような印象も受ける。せっかくなら、ズームアウトで“TOYOTA ARENA TOKYO”のロゴが映り込んだタイミングで、もうちょっとじっくりとトヨタの存在感を示したら面白かったかもしれない。
奥行き方向の移動をドラマチックかつ効果的に取り入れた『第76回NHK紅白歌合戦』でのパフォーマンスとは対照的に、限られたスペースにまとめられた今回のパフォーマンスでは、平面的な演出が採用されている。その点では、サメライドが登場する後半のほうが動きという点ではダイナミックである一方、幾何学的な画面づくりに徹した前半の鮮やかさが際立って印象的だ。
授賞式でのパフォーマンスの様子は、「IRIS OUT」同様に『MAJ』の公式チャンネルにアーカイブされている。今週のランキングにはFujii Kaze「Prema」のパフォーマンスもランクインしているが、基本的には演奏を丁寧に見せつつ、安全性が気にかかるくらい高低差がある立体的なステージ構成で、ケレン味のある場面を要所要所に設けたパフォーマンスは映像としても見応えがある。スリーピースの演奏を生々しく捉えた羊文学「Dogs」や、モノトーンの衣装でセットに腰掛けて落ち着いたアレンジを披露したFRUITS ZIPPER「わたしの一番かわいいところ」も印象的だった。
『MAJ』がまだ賞としてのカラーや評価が定まっていない現状では、なにより主役であるアーティストたちのパフォーマンスを広く届けるショーケースとしての役割が最も重要だろう。アーカイブを見ると、まだその点も手探りなのではないかという印象を受ける。今後どのように発展していくのだろうか。
※1:https://charts.youtube.com/charts/TopVideos/jp/weekly