hitomi×Nikoん、世代を超えた音楽的共鳴 “1994年”から繋がった異色のコラボを徹底総括【対談+ライブレポート】

【対談:hitomi × Nikoん マナミオーガキ】初対面からツアーまでを振り返る
――1994年にデビューしたhitomiさんと、1994年に生まれたマナミオーガキさんの対談です。hitomiさんの代表曲「LOVE 2000」は2000年のリリースですが、マナミさんは2000年代どんな音楽を聴いていたか覚えていますか?
マナミオーガキ:小学校はモー娘。(モーニング娘。)を聴いてました。あとORANGE RANGEとか。中学校でアジカン(ASIAN KUNG-FU GENERATION)を聴き始めて、そっからバンドに興味が湧いてBUMP OF CHICKEN、RADWIMPS、ONE OK ROCKとかを友達とCDを貸し合いっこして聴いてましたね。
――その一方、2010年代のhitomiさんはどんな活動をしていましたか。
hitomi:ちょうどmaximum10(現在所属しているavex内レーベル)に来たあたりですね。2008年に第一子を出産して、結婚、離婚……。
マナミオーガキ:リアル(笑)。
hitomi:タレント活動もしていましたね。子育てしながらできることをやってたような感覚です。
マナミオーガキ:『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)出てましたよね。
hitomi:そう、タレント業で出てました。
マナミオーガキ:すごく覚えていて、「こんな綺麗なお母さん絶対おらん!」って思ってた。

――対バンライブのMCで「異文化交流的なツーマン」とhitomiさんがおっしゃってましたけど、ファンの誰もが同じように感じていたと思います。hitomiとNikoんで楽曲制作とツーマン、その話が最初に出た時の率直な感想から聞かせてください。
hitomi:去年は30周年のhitomiを表に出していく、というところもあったんだけど、レーベルのディレクターからもっと違うこともやってみないかと提案されたんです。そこでレーベルメイトにNikoんというバンドがいると。ただ、正直なところNikoんがどういうバンドなのか知らなくて、おまけに自分よりも結構若いーーまあ大体が若いんですけど。
――(笑)。
hitomi:それでも結構若いな、という印象でした。音源もそこでいくつか聴かせてもらったんですけど、自分のサウンドに比べるとだいぶ世界観が違うし、本人を目の前にして言うのはなんなんですけど、ピンと来てなかったというのが正直なところでした。
マナミオーガキ:そりゃそうですよ(笑)。最初に話をいただいた時に、うちらからしたら「あのhitomiですか?」みたいな。楽曲提供も「単純に私たちの作る曲で大丈夫なんですか?」みたいな疑問がありましたね。でも、意外とロックな曲いけるんじゃないかと、hitomiさんの曲を聴いてたらだんだん思えてきて。そうしたら、せっかく一緒にやるんだったら、ツアーぐらいがっつりやる方が面白いんじゃないかとオオスカ(Nikoんのギター&ボーカル)が言ってて。その話は私も同意でした。
hitomi:本人たちからそういうコメントが返ってきていると聞いた時には、私は「いきなりライブやるとかある?」という感じでびっくりしましたね。
――どこで心境が変わったんですか。これいけるなって。
hitomi:いや、いける/いけないとかでもないです。
マナミオーガキ:(笑)。
hitomi:自分のライブのことを考えるだけでも大変なのに、ツーマンライブをやってこなかった私が、それ全部こなせるのかなと思いました。でも、だんだん(昨年の)年末が押し迫ってきた時に、まだちゃんと会って話してもないじゃんという焦りが出てきて。とにかくご飯を食べたい、ということをディレクターに伝えましたね。それで11月にまずライブを見させてもらったんですけど、随分とギターが歪んでて、久しぶりに頭をガン! って叩かれたぐらいの衝撃を受けました。本当にかっこいいなって。その日のMCで「風邪ひかないでね」みたいな話をマナミちゃんがしてたんですけど、オオスカくんが「お前、母ちゃんかよ!」とか言ってて。
マナミオーガキ:言ってましたね。
hitomi:でもその日ちょっと寒かったよね?
マナミオーガキ:寒かった。
hitomi:だから帰り際に「本当に風邪気をつけてね」って声かけました。
――その日が初顔合わせだったんですね。
hitomi:オオスカくんにも挨拶したんですけど、なんかちょっと初めは首を傾げてて、ようやく「ああっ!」となって、でもそれっきりでした。おふたりとも人見知りというか、シャイなんだなって感じ。そして後日、下北沢で飲んだんです。
マナミオーガキ:すごく緊張しました。hitomi姉さん、酒がめちゃめちゃ強い。
hitomi:私自身おふたりの若さの感覚とかがわからないから、自分のノリで持ってっちゃう感があったのかもしれなくて、そこで迷惑がかかってたらと思ったりしつつ……でも、意外と世代もそんな違わないような話ができた気がしてたんですよね。なんか、みんな思うこと一緒だよね、みたいな感じで。
――それは音楽に対して?
hitomi:はい。Nikoんもすごくピュアで正面から音楽に向き合ってるし、私も年月を重ねてここまで来てるけど、基本好きなことをやってたいよねっていうスタンスもあって。なんかそういう部分ではあまり違和感なく話ができたかなと。それで対バンの時も打ち上げで飲んだんですけど。

――ライブのMCによれば、蓋を開けてみたらオオスカさん的には圧を感じていたと。
hitomi:そうそう(笑)。「そうなの!?」みたいな。
マナミオーガキ:一緒にツアーを回ってみたら、姉さんはめちゃくちゃバンドマンっぽいマインドで、かっこいいバンドマンの先輩と近いパッションを感じました。ツーマンをやる機会があんまりないとおっしゃっていたんですけど、ライブに対する向き合い方とか音楽に対する考えとか、めちゃくちゃバンドマンっぽい。やっぱりどっかでこう、ちょっとアイドルじゃないけど、バンドマンとは違うアーティストみたいに自分は身構えていたんですよね。でも一緒にツアーを回って(自分たちと)スタンス変わらないんだって思ったら、急にレーベルの先輩だっていう実感が湧いてきましたね。
hitomi:マナミちゃんも会っていくうちにこういう感じの子なんだな、というのがだんだんわかってきて。マナミちゃんってバスケ部の部長とかにいるタイプというか。メインで走っていくよりは全体を見るようなタイプで、あんまり口数も多くない。オオスカくんとの関係を見てても、わりとオオスカくんがバーッと喋って、マナミちゃんがぽろっとそこに入れてくるみたいな感じのバランスがとってもいい。ライブもそうですけど、なんかいい感じで関わっている関係性だと思います。
――ライブを見ていても、ふたりは本当に絶妙なバランスで立っていますよね。マナミさんじゃなきゃオオスカさんの隣は務まらないのではって思います。
hitomi:そうそう。「お前、母ちゃんかよ!」って言われても、「……はあ」みたいな。
マナミオーガキ:私は(オオスカの)話聞いてないんで。
――O-EASTのライブ(『fragile Report RELEASE TOUR』ファイナル)でも、オオスカさんがMCの途中で「どう思う?」とマナミさんに話を振った時、「ごめん、聞いてなかった」と言ったのがめちゃくちゃおもろしかったです。
マナミオーガキ:長いから。
hitomi:そのくらいがいいのかもね。
マナミオーガキ:みんな優しいから話を全部受け止めてくれていると思うんですけど、もうあんなの毎日聞いてたら疲れちゃうので。聞いてないですね(笑)。
hitomi:いい空気なんだよね。ライブとかでもそれを出せるのがマナミちゃんの素晴らしさ。



















