増田貴久、2ndソロライブで魅せた迸る衝動と情熱 唯一無二の表現者が作り出す至高の空間に

NEWS・増田貴久がソロコンサート『増田貴久 2nd LIVE 喜怒哀楽』を開催中だ。4月10日の札幌公演を皮切りに5都市14公演を巡り、ツアーは5月23日の大阪公演まで続く。本稿では東京ガーデンシアターで開催された4月28日公演の模様をレポートする。ライブの内容に触れるため、ネタバレを避けたい方はご注意願いたい。
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見どころ満載! 自らプロデュースする舞台
ステージ中央にはスポットライトが当たり、そこには360度ぐるりとたくさんのマイクが設置されている。
開演時刻、自然発生的に手拍子が巻き起こり、増田が登場すると会場は大きな拍手に包まれる。「喜怒哀楽」では、一瞬の静寂の後、増田が大迫力のアカペラを会場に響かせる。声の力だけで一気に場を掌握し、迸る衝動、情熱、音楽の歓びといったあらゆる感情を観客に叩きつけ、ライブが開幕した。
音楽面はもちろんのこと、映像や照明、衣装に至るまで、全体的に増田自身がプロデュースを手掛けたという今回のライブ。オリジナル楽曲は、どれも増田以外には成し得ないパフォーマンスばかりだ。パワフルなボーカルや激しいラップ、先鋭的なサウンドといった音楽面のみならず、ユニークな衣装にも意味を見出したくなるような、複雑なライティングなども見どころ満載だった。

約8年ぶりに披露されたという「Thunder」では、ステージ前面に下ろされた紗幕に歌詞や雷を思わせる映像が映し出され、その奥でパフォーマンスする増田の姿は、激しさの中にあってどこか幻想的でもあった。さらに今回のコンサートのために書き下ろされた新曲「じゃ、踊るか」もサプライズで披露され、重厚なサウンドに合わせたキレのあるダンスで会場のボルテージを上げた。
今回は、発売したばかりの初のカバーアルバム『増田貴久のカバー』を携えて行われたライブとあって、計11曲のカバー曲を披露。増田のカバースタイルは、自らの個性を前面に打ち出すわけではないが、アーティストや楽曲の魅力を敬意をもって忠実に再現し、彼自身がその曲をどのように愛しているか伝えるような歌唱だと思う。「Bonnie Butterfly」(KinKi Kids)、「Believe Your Smile」(V6)、「うわさのキッス」(TOKIO)、「世界に一つだけの花」(SMAP)といった先輩グループのカバーは、彼がその存在をどのように感じているかを滲ませているようだった。それぞれダンスのテイストや歌唱のアプローチを変え、敬意と愛情たっぷりに表現する姿を、ファンも心から楽しんでいたのが印象的だ。
アコースティック編成で歌われた「やさしさで溢れるように」(JUJU)や、黄色いハットを被りミュージカル然とした佇まいで魅せた「ムーンライト伝説」(DALI)など、時代を彩る名曲たちはそのムードを彼らしく切り取っていたし、スタンドマイクで歌い上げた「銀の龍の背に乗って」(中島みゆき)で見せた高い熱量は、NEWSやソロ曲でも見受けられる彼の真骨頂だ。客席一人一人に語り掛けるように歌われた「まっすぐの唄」(海援隊)では、彼自身の放つあたたかさと楽曲の持つ温度感が調和。カバー曲すべてにおいて、聴く者の想像力を刺激する開放感のあるパフォーマンスが心地よかった。
先輩への愛、NEWSとしての誇り
アーティスティックな一面のみならず、アイドル的な魅力も存分に魅せてくれた。セルフカバーの「キッス~帰り道のラブソング~」(テゴマス)も印象深い一曲だ。客席に一部パートを丸ごと委ねた大迫力のシンガロングが展開され、音楽で結ばれたファンとの強い信頼関係を見せつけた。歌うファンの表情を確かめるような優しい眼差しは、アイドルらしいものだった。
“喜怒哀楽”をテーマにしたスペシャル映像ではパーソナルな魅力を発揮。ランボルギーニを走らせるクールなドライブ、餃子をひたすら食べ続けるシーン、地上100mのバンジージャンプ、動物園での胸キュンシチュエーションの再現といったバラエティ映像は、観客を笑顔にし会場を和ませた。MCはほぼ封印したライブだったが、転換中のインターバルでは、その場にいないNEWSの小山慶一郎や加藤シゲアキにMCを振るお茶目な一幕でも笑いを巻き起こし、ファンを喜ばせた。

ラストナンバーは、再度の「喜怒哀楽」。冒頭のワンフレーズはマイクをオフにし、生の声を東京ガーデンシアターに響き渡らせる。そして「歌える?」と笑顔でファンに呼びかけ、会場がひとつとなったシンガロングへ。曲の最後には「NEWSの増田貴久でした! ありがとうございました!」とシャウトしてライブは閉幕。NEWSとして、ひとりのボーカリスト、アーティストとして、すべてが地続きで彼の音楽が成り立っている――そしてそこに誇りを感じさせる感動的なラストシーンだった。
昨年の1st ライブでもその温度の高さに圧倒されたが、今回も細部にアーティストとしてのセンス、音楽への情熱、滲み出る個性が散りばめられ、さらにパワーアップした内容となっていた。豪華なバンドやストリングス、ダンサーと一体となり、その中心で強いエネルギーを迸らせながら輝く姿は唯一無二。増田貴久というアーティストが特異な存在で、独自の地位を築き上げていることを改めて証明していた。全身全霊で音楽に対峙する彼は、この先どんな喜怒哀楽を見せてくれるのだろう。こんなにも個性的で良質なライブを体験してしまったら、やはり次を期待せずにはいられないのである。

























