今のOfficial髭男dismだからこそ辿り着いた純度 『スターダスト/エルダーフラワー』で説く愛の“衝突”と”継承”

Official髭男dismが両A面シングル『スターダスト/エルダーフラワー』を4月22日にリリースした。
ノンタイアップシングル「Sanitizer」、メンバー4人のみでまわったツアー『OFFICIAL HIGE DANDISM one-man tour FOUR-RE:ISM』、そしてTVアニメ『ダーウィン事変』(テレビ東京系)のオープニング主題歌である前シングル「Make Me Wonder」。最近の彼らは、4人という最小単位やバンドらしさ、音楽活動の根源的な喜びに立ち還る動きが続いていた。今回リリースされた2曲はともにタイアップ曲であり、いずれも愛という、誰かがいるからこそ生まれる感情について歌っている。
「スターダスト」が説く愛の形 衝突の先に待つ理屈なき喜び
1曲目の「スターダスト」は、日曜劇場の枠で放送中のドラマ『GIFT』(TBS系)の主題歌だ。『GIFT』は、堤真一演じる天才宇宙物理学者・伍鉄文人と、車いすラグビーチーム・ブレイズブルズによる下剋上スポーツドラマ。ブルズは3年間試合に勝てずに燻っているチームだが、その一体感を欠いたプレイを見て、伍鉄は「最高だよ!」と目を輝かせる。それは彼が“難問”を解くことが生きがいの学者だからであり、ぶつかり合う選手たちの姿に、宇宙と同じ美しさを見たからでもある。そして伍鉄は、ブルズを日本一のチームにすると宣言。おそらくこの先、登場人物の人間模様、衝突を経た化学変化が描かれるのだろう。
「スターダスト」は、『GIFT』第1話のエンディングで早速聴くことができた。B→C#→D#mという進行が全体を支配しながら、随所に挿し込まれるコードが微細な陰影を加え、シンコペーションのリズムが律動に軽やかな揺らぎを与えている。シンプルな和声の繰り返しを土台にしながら、シンセサイザーの音色やエコーの効いたコーラス・クラップなど、音響処理によって宇宙的なスケールを描いている。また、曲構成も興味深い。イントロ、Aメロ、サビに続いて、もう一つのサビともいうべきセクションが現れる。二つの楽曲的重心が一曲の中で衝突し、併存するこの構造自体が、主題を直接的に体現している。
この曲の核心は、“虚脱から確信へ”という運動にある。序盤で提示されるのは、自分は誰からも必要とされず、スポットライトの外側にいるという自己認識。〈冴えない引力 出会した僕ら〉という歌詞が示すように、相手との出会いも劇的ではないが、それでも引き寄せられた者同士は衝突を回避できない。〈ぶつけ合って 痛くて 拒んで 棘だらけ〉と畳みかけるサビの身体性は、地声を張り上げるボーカルも相まって、その不可避性を剥き出しにする。この時点で〈必要だったんだ 僕には あなたが〉という確信がすでに芽生えているが、衝突はまだ痛みでしかない。
決定的なのはDメロだ。〈那由多の最中〉というほとんど無限に等しい可能性の中から、〈なぜか〉あなたに至る。説明を拒むような飛躍だ。しかしこの説明不可能性こそが、ここでいう愛の条件なのかもしれない。理屈では語れない、それでも確かな驚きと喜び。この瞬間、〈ジグソーパズルの余り物〉という自己認識は反転し、〈僕に合うピースは なぜか あなただった〉と存在の必然へと書き換えられる。そして言葉が届かない感覚に触れようと、音楽が手を伸ばす。藤原の力強いロングトーンとともに、バンドの音が重力波のように轟き、タムが爆ぜるように叩かれるのだ。超新星のイメージと重なる、ドラマティックなサウンド演出である。
終盤では〈まばゆいスターダスト〉という主旋律の裏で、再び〈必要だったんだ 僕には あなたが〉という言葉が歌われる。表層と深層で結論が同時に鳴り響く構造で、ここに至って衝突はもはや痛みではなく、喜びの源になっている。この曲が歌うのは、宇宙的なスケールを纏った、極めて個人的な奇跡と祝福だ。























