KID PHENOMENON、トップアーティストの登竜門『SXSW』出演を射止めた理由 “TOKYO NEO POP”で臨む世界への挑戦

 日本発の7人組ダンス&ボーカルグループ、KID PHENOMENONが今年40周年を迎える世界最大級のコンバージェンス(融合型)・カンファレンス&フェスティバル『SXSW 2026』に出演することが決定した。

 『SXSW』はテキサス州オースティンを舞台に毎年3月開催され、今年は3月12日〜18日に開催される。1987年にスタートし、才能を発掘する音楽フェスとして、エド・シーラン、ノラ・ジョーンズ、ビリー・アイリッシュ、ケンドリック・ラマーといった、のちにグラミー賞を受賞するアーティストたちがブレイク前に出演していた登竜門的なフェスとして知られている。音楽にとどまらず、映画、コメディ、ゲーム、テクノロジーまでを内包する世界屈指の複合型イベントへと進化を遂げ、850以上のカンファレンス・セッション、600以上のネットワーキングイベント、300以上のショーケースライブ、460本以上の映画・TV作品上映などが、7日間にわたり街全体を巻き込んだ規模感で開催される。

 また、Spotify、X(旧Twitter)、Airbnb、Uberといったスタートアップが世界に羽ばたく起点となった場所としても知られており、2016年にはバラク・オバマ大統領が基調講演に登壇し、2013年にはイーロン・マスクが未来の宇宙構想を語るなど、カルチャーと社会を動かす重要なモーメントを多く生み出してきた。

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 そのような大規模かつ重要なフェスにアメリカでの本格的な活動実績がまだないKID PHENOMENONの出演はなぜ決まったのだろうか。KID PHENOMENONはLDH主催オーディション『iCON Z』の男性部門ファイナリストなどを対象とした『iCON Z ~Dreams For Children~』に参加した、夫松健介、遠藤翼空、岡尾琥珀、川口蒼真、佐藤峻乃介、山本光汰、鈴木瑠偉という7人で結成。2023年8月、シングル「Wheelie」でデビュー。東京の新世代カルチャー“TOKYO NEO POP”を掲げ、J-POPの文脈にとどまらない、HIP HOP、R&B、ダンスミュージックを横断する音楽性と、Z世代のリアルな感情や衝動を歌、ラップ、ダンス、作詞作曲に投影する高いスキルを持ち合わせたグループとして成長した。

 先述した通り、『SXSW』はこれまでブレイク前のエド・シーラン、ノラ・ジョーンズ、ビリー・アイリッシュ、ケンドリック・ラマーといった世界的アーティストが多く出演してきた。初出演時の売り上げや知名度よりは、将来性や物語性が重要な基準なのだ。昨年1月にリリースされたKID PHENOMENONのファーストフルアルバム『PHENOMENON』はジャンルレス且つメンバーが作詞作曲に携わった楽曲も収められており、ジャンルを横断することが当たり前になった現代においてとてもリアルであり、KID PHENOMENONならではのアーティスズムが詰まった作品だった。リード曲「Party Over There」はトラップビートに和な音色が融合したヒップホップチューンで“TOKYO NEO POP”を体現していた。

 また、先日タイ国内外から多くのオーディエンスが来場する日本の音楽、アニメ、ファッション、グルメなど多彩なカルチャーが一堂に会するアジア最大級のイベント『JAPAN EXPO THAILAND』に初出演したことも特筆すべき点だ。KID PHENOMENONはタイでの初めてのライブにおいて、海外のオーディエンスにも訴求するパフォーマンス力を見せつけていた。

 “TOKYO NEO POP”という新しさを持ちながら、グローバルな規模感でここから物語を始められる可能性を持つアーティストであるKID PHENOMENONは、東京から新たな現象を世界に巻き起こすであろうグループとして選ばれ、『SXSW』が掲げてきた「次のスターはここから生まれる」という哲学を体現する存在として期待されているのだろう。KID PHENOMENON は『SXSW』を足がかりにどんな進化を遂げるのだろうか。

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