Number_i、新曲「3XL」徹底解説 平野紫耀プロデュース――表題曲初のラブソングに忍ばせた“ファン”への想い
Number_iが、1月29日に配信リリースした新曲「3XL」は、表題曲としてはグループ初のラブソング。平野紫耀がプロデュースした、甘酸っぱい片思いの恋の歌だ。
過去にもシングルのカップリング曲や、アルバムの収録曲としては恋愛ソングも制作してきたNumber_iだが、ついに表題曲としてリリースするのか――と、発表されたときには少し驚いた。常に予想をいい意味で裏切ってくる彼らだからこそ、そこには新しい一面を見せていきたいという想いもあったのだろう。
実際に「3XL」は、もはやお馴染みとも言える作詞がPecori(ODD Foot Works)、作編曲はメンバーとMONJOE(DATS)、SHUN(FIVE NEW OLD)による共作で、「INZM」や「GOD_i」などと同じメンバーで制作された楽曲だが、一転して、ポップなサウンドが打ち出されている。心電図のような音から始まり、シンセサイザーを軸にピアノ、ストリングス、ベースといったさまざまな音色が飛び交うトラック。音の多彩さで言えば、和楽器の音色を豊富に取り入れた同じく平野プロデュースの「BON」にも近いかもしれない。3人のボーカルも、平野こそ低音域のラップが多いが、神宮寺勇太や岸優太はクリアなボーカルも披露しており、それぞれの声質に合わせた歌声が活きているように思う。膨らんでいく感情、高鳴る鼓動の両方を表現した〈好きになっちゃう/好きになっちゃう/どんどんどんどん〉のフレーズも秀逸で、そこから弾むようなメロディのサビが展開されていく。誰かを想ってときめく心、きらきらとした世界が広がっていくイメージが浮かぶ楽曲だ。
リリース当日にはSpotify公式リスニングパーティーとYouTube LIVEが行われた。当日の平野の発言によれば、「3XL」は楽曲よりも先にMVのアイデアが生まれていたといい、「3XL」のMVは「未確認領域」のMVの“サイドストーリー”的な位置づけ。人体を“未確認領域に満ちた宇宙”と捉えて制作された「未確認領域」から着想を得て、リリックにある〈君と俺まるでさ免疫と病原〉を表現したという「3XL」。どちらも鴨下大輝が監督を手掛けており、カラフルな映像も2作品の繋がりを感じさせる。この曲の持つ鮮やかさと切なさが、独特な世界観の映像を通して浮き彫りになっているのだ。
タイトルの「3XL」は、一般的に考えればS、M、L、XL、2XLに続く大きなサイズのこと。楽曲は〈ライブの最前列/君が俺の音に乗ってる/俺は少し戸惑ってる/ブカブカの3XL〉で始まり、それから10年以上が経過したことを描きながら、サビでは〈君も見惚れるくらいに/フィットする3XL〉と歌われる。つまり、自身が未熟ゆえにきちんと受け止められなかった愛に、成長した今なら向き合えるという喩えだろう。しかし、〈君〉はすでに別の人と幸せになっていて、主人公はそれを知りながら、過去があることで今の自分がいると静かに肯定している。たとえ先の未来がどんな形でも、誰かを愛して胸をときめかせたり、もどかしさに苦しんだりした日々は無駄にはならないこと。Number_i史上最速で1000万回再生を突破したMVのストーリーも含めて考えてみると、それがこの曲の本質的なメッセージなのかもしれない。
個人的に、神宮寺、岸、平野の順で歌い繋ぐブリッジの〈また待ってる最前のフロア〉〈近くて遠い星の空〉〈今なら握れる〉に、ファンへの想いも透けて見えるようで、彼ららしさも感じられてとても好きだ。「3XL」は、Number_iの2026年第1弾の新曲でもある。今年もここからどんな景色を見せてくれるのか楽しみでならない。こうして彼らの成長を一緒に見届けていくことは、時間が経っても色褪せない、幸せなことなのだ。