THE ALFEE、42年立ち続ける日本武道館 信念を貫き続けるバンドの美学に触れて
2025年8月25日から、デビュー52年目に入った高見沢俊彦(Vo/Gt)、坂崎幸之助(Vo/Gt/Per)、桜井 賢(Vo/Ba)によるロックバンド、THE ALFEE。数々の雑誌の表紙や特集記事、さまざまなTV番組やイベントに登場し、12月には「令和7年度文化庁長官特別表彰」まで受賞。50周年イヤーであった前年からその注目度は落ち着くどころかヒートアップ、ますます多忙を極めた1年であった。そのラストスパートである恒例の年末2日間の日本武道館公演の初日、通算104回目、クリスマスイブイブの12月23日に行われたコンサート『THE ALFEE Winter Celebration 2025 HEART OF RAINBOW』をレポートする。
北東、北西の天井までぎっちり埋まった観客、ステージ上には今回のツアーを象徴する“虹”が3つかかっている。客電が落ち、煌めく照明の中スモークがたかれ、厳かなSEが流れる。中央に3人のシルエットが浮かび上がると、観客の拍手が大きくなる。定位置につき始めたのは7月に発売したシングル『HEART OF RAINBOW』収録曲で、坂崎がハンドマイクで歌う「丁寧言葉Death!」。カラフルな照明で作られた“DEATH”の文字をバックに、12月25日に発売される27枚目のアルバム『君が生きる意味』収録の、高見沢が熱いギターソロを聴かせるバージョンを披露する。続いて「鋼鉄の巨人」の激しいイントロのドラムが響き、爆発音が鳴り響く。炎と噴煙で盛り上げながら、THE ALFEE流ヘヴィメタルを立て続けに演奏して会場を熱くする。そこに高見沢が一歩ステージ前方に出て「二人のSEASON」へ、間奏中は3人そろって頭を振るなど激しいステージングは続いていく。
坂崎が「今年もこの時期がやってまいりました、今回で104回目の武道館、最後までよろしくね」と冒頭のあいさつをして、続いたのは「サファイアの瞳」のイントロのキーボード。思わぬ選曲に客席からは大歓声が湧き、観客の興奮度も伝わってくる。間髪入れずにブラスロック的なナンバー「冒険者たち」へ。80年代、90年代のこの2曲を聴いて、細部にまでいろいろな要素を詰め込んだナンバーを、ライブではさらに進化させて再現するTHE ALFEEのすごさを改めて感じる。SEが流れて続くのは、スローテンポの高見沢のボーカルで始まるバージョンの「A.D.1999」。走ったりスキップしたりジャンプしたり縦横無尽に動き回りながら、高いキーの曲を歌い上げる。それぞれがメインボーカルを取るナンバー2曲ずつを歌い終え坂崎のMCへ。
42年間日本武道館公演を継続していることを語った後、恒例のアンケートに差しかかったあたりで、高見沢の忠告で観客が立ったままだったことに気づく。「忘れてたよ。なんか変だなと思った。どうぞみなさんお座りになってください」と客席に着席を促す。「THE ALFEEのコンサートが今日が生まれて初めての人」の質問にこの日も多くの手が挙がっていた。2025年は、どの会場にも数多くのライブ初参加者がいたのが印象的だった。THE ALFEE流、近況を交えたユーモアたっぷりのメンバー紹介。恒例のグッズ販売促進営業部長・桜井のグッズ紹介、ウッドペッカー(1940年代~70年代に人気だったアニメーションのキツツキのキャラクター)のマネなど、トークは和やかに進んでいく。桜井がフランク・シナトラをシナンク・フナトラと言い間違えたことから生まれたグッズのお菓子「舟とら」にちなんで、シナトラの名曲「My Way」を桜井が1センテンスだけ歌ったりと盛り上げた後は、坂崎曰くの「ちゃんとした演奏会」に戻る。
観客が着席した会場で披露されたのは、この時期にぴったりのスローナンバー「1月の雨を忘れない」。桜井の艶やかな声とブルーの照明が冬の夜をロマンティックに彩る。細かい照明が星空のように光る中、のちのMCで高見沢自身が「この曲のイントロが気に入っている」と語った「あなたに贈る愛の歌」へと続き、幻想的な空間を演出する。
ここで高見沢のMCタイム。最新シングルがチャート誌に59作連続TOP10入りや、高見沢が言う“ファンのみんなと一緒に獲った賞”「文化庁長官文化庁間特別表彰」で「国が認めた最初のロックバンド」になったこと、古希を超えたバンドでもまだまだやれるという力をいただけたことに言及。目標を売れることや評価されることではなく、自分しかできない役割を持つことに変えたという自身の気づきも披露。過去の自分を裏切らない選択を続けながら役割をこなすことによって、自ずとそれに見合う楽曲を作れるようになったと語る。「50年経っても“まだまだ”と感じているうちは新しい曲が生まれるはず」と語ると、客席からは大きな拍手が起こる。さらに「年齢は重ねていきますが、まだまだ期待していただきたい」と力強く宣言して後半戦へ。
ステージには4つの虹の照明が降りてきて、映画『オズの魔法使い』の名曲「Over the Rainbow」から、デビュー51周年記念シングル曲「HEART OF RAINBOW」に移る。ファンタジックな空間で魅了した後は、サングラスを着用した高見沢と坂崎がステージ前方に移動し、クリスタルキングのカバー「愛をとりもどせ!!」へ。真っ赤な照明と炎と噴煙が熱いナンバーを盛り上げた後は、波の音が聴こえてきて、2022年リリースのアルバム『天地創造』からの大作「組曲:時の箱舟」を久々に演奏。次々に変わる展開の壮大なナンバーが終了すると同時に鐘が鳴り響き、「ROCKDOM -風に吹かれて-」の高見沢の雄叫びから「星空のディスタンス」に続く、9月に放映されたNHK『うたコン』出演時に披露されたバージョンへ。バンドを代表するナンバーのメドレーで本編の幕を閉じる。
アンコールを待つ間、次々に点滅するグッズのマラカスライト。客席が満天の星のように輝く中、「アンコール」を叫ぶ声と手拍子が鳴り響く。カラフルに輝く照明の中、The Blues Brothersのテーマ曲「I Can't Turn You Loose」が流れてきて、観客も「待っていました!」とばかりに曲に合わせてマラカスライトを大きく振る。ステージ下から3人が現れ始まったのは2025年冬のコント「武道館に帰って来たよ! BE∀T BOYS!」。近年コントではTHE ALFEE扮するさまざまなグループが登場しているが、1980年代後半に活動していたBE∀T BOYSが登場したときの観客の熱狂はすさまじい。まずは、この秋ツアーから新調されたという衣装とサングラス着用で、楽器を持たずスタンドマイクを傾けて歌いながら「HEART BREAK LONELY RAIN」でキレのあるダンスを披露する。ここから天国のフレディ・マーキュリーに桜井がQueenの「We Will Rock You」を捧げ、この曲のリズムのまま「秩父音頭」を混ぜ込んで歌うという荒技に出る。そして坂崎がベースを持ち、高見沢がギターを持って、高見沢が「(BE∀T BOYSの)久々の武道館、うちのお調子者に武道館の魔法をかけて」と言うと、桜井が沢田研二の「勝手にしやがれ」を華麗に歌唱。
The Blues BrothersのテーマとともにBE∀T BOYSが去っていくと、聴こえてきたのは「FLOWER REVOLUTION」のドラムロール。坂崎も桜井もシャツを腕まくりし、高見沢もノースリーブの衣装、3人ともインカムをつけ拳を振り上げる準備万端、もちろん客席からも気合いが伝わってくる。銀テープが客席に放たれ、左右の花道に高見沢と桜井が移動し3方向で盛り上げる。メンバーと一緒に客席がジャンプするとスタンド席が少し揺れる。炎もふんだんに上がって会場全体があたたまったところで、サポートメンバーのドラムスの吉田太郎、キーボードのただすけが紹介され、「We are THE ALFEE!」と叫んだ後は、今年第22回目の高見沢曰く「この曲もみんな大好き! かな!?」なナンバー「夢よ急げ」。炎もさらに上がり、大人気曲をさらに熱くする。桜井が曲の最後のシメをリードするもなかなか終わらないお決まりのおふざけに、いじけた桜井が両手に持って来たのは大きな扇子。ここで1990年代によくやっていた、久々の三三七拍子。桜井が大きく扇子を振って本編を締めた後は、大きな炎が上がり、高見沢が「Thank you!」と手を高らかに上げてアンコールが終了する。
そしてアンコール2回目。高見沢は「50年以上経っても全国ツアーができること、そしてこうやって武道館公演ができること、そして初めて観る人もいる。この国の人が全員観るまで僕らはコンサートをやり続けなくてはいけない」と頼もしすぎるコメントを出す。ひとつのことをやり遂げるには、これだけは譲れない、自分だけは自分を見捨てないという境界線を作ること。誰に評価されなくてもその境界線を守ろうとする姿勢、それがやり続けていくプライドにつながっていったような気がする。自信というのはひとつのことをやり続けて生まれるもので、50年以上ライブやってきたことは自分たちの密かな自信でありプライドであると語ると、客席からは大きな拍手が起こる。
そして「武道館に集まった全ての方、そして世界中の悩み多き方のためにこの曲を」と続け、大ラスに選ばれた「Pride」へ。曲のラストでは3人が前方に出て、サビ部分を生声で3声のコーラスを披露し、まさにそのプライドを見せつけたラストとなった。
高見沢が言っていた、自分自身にしかできない役割。自分を見捨てず、そして「誰かのために頑張りたい」と思える人には、たとえ時期が遅くなっても必ず自分の役割は見つけられるはず。昨今の平均に比べればリーズナブルに保っているチケット代やファンが楽しむことを考え尽くしたイベントやグッズ、THE ALFEEの活動はファンのことを一番に考えて、自分たちの役割を全うしようとする彼らの気持ちが伝わってくる。
翌日、24日クリスマスイブの日本武道館コンサートでは「解散はない!」と断言したTHE ALFEE。自分の役割を見つけることができれば、生き方は明確になり、人生が充実しないはずはない。輝き続けるTHE ALFEEを見て、まだ自分にも全うすべき役割があるのではないかと感じた夜だった。
■リリース情報
ニューアルバム『君が生きる意味』
発売中
通常盤【1CD】TYCT-60257 ¥3,300(税込)
01 月光譚 - Moonlight Rhapsody -
02 孤独の太陽
03 君が生きる意味
04 疾風怒濤 - Mind Riot -
05 12Fretの躍動
06 丁寧言葉Death ! (album mix)
07 KO. DA. MA.
08 Dancing in Heaven
09 鋼の騎士 Q
10 Be Alive
11 HEART OF RAINBOW (album mix)
初回限定盤A【CD+Blu-ray】TYCT-69369 ¥4,950(税込)
CD:通常盤と同内容
Special Blu-ray : MV COLLECTION
■KO. DA. MA.
■ロマンスが舞い降りて来た夜
■HEART OF RAINBOW
初回限定盤B【CD2枚組】TYCT-69370/1 ¥4,950(税込)
CD:通常盤と同内容
Special CD:
『2024_08_25 Live!』
THE ALFEE & Alfee Premium Orchestra
1. 木星(組曲「惑星」より)~星空のディスタンス
2. 夏しぐれ
3. 組曲: 時の方舟
4. ヴァルキューレの騎行~ジェネレーション・ダイナマイト
5. FLOWER REVOLUTION
初回限定盤C【CD3枚組】TYCT-69372/4 ¥5,500(税込)
CD:通常盤と同内容
Special CD : 風の時代・春 From The Beginning @NHK HALL(2024.5.26)
<DISC1>
1. 悲劇受胎 (50th Anniversary Ver.)
2. FLOWER REVOLUTION
3. Final Wars !
4. シンデレラは眠れない
5. この素晴らしき愛のために(2023Mix)
6. 星空のディスタンス
7. My Life Goes On
8. COMPLEX BLUE -愛だけ哀しすぎて-
9. 生きよう
<DISC2>
1. 運命の轍 宿命の扉
2. GATE OF HEAVEN
3. 天地創造
4. LAST STAGE 2024
5. CRASH !
6. SWEAT & TEARS
7. 鋼鉄の巨人(50th Anniversary Ver.)
8. 明日なき暴走の果てに
9. ロマンスが舞い降りて来た夜
■関連サイト
THE ALFEEオフィシャルHP
https://www.alfee.com/
ユニバーサル ミュージック THE ALFEE オフィシャルHP
https://www.universal-music.co.jp/the-alfee/