『Early Noise』選出、LAUSBUBとは何者? 音楽/カルチャーシーンから大注目、札幌から世界へ響く才気
第二のターニングポイントへーー「golden lighter」に刻まれたLAUSBUBの現在地
LAUSBUBとは何者か? これまではその問いに、“ニューウェーブ・テクノポップ・バンド”というアイデンティティ、ここまで駆け足に振り返ってきたストーリーそのものを説明すれば、おおよそ事足りていたと思う。しかし今は違う。そう感じさせるのは最新シングル「golden lighter」が、これまでのLAUSBUBを完全に脱皮したような異様なエネルギーを放っているからだ。
Ricoのサウンドプロダクションの精緻さ、およびリズム感覚は一層磨きがかかり、Meiの歌は渇きと湿り気の両方を帯びたサウンドの中に灯った光のように聴く者を導く“確かさ”がある。『ROMP』にも内包されていたニューウェーブ譲りの実験精神はより鋭利に、テクノポップ由来のシーケンシャルなビートは解体されて新たな身体的なリズムとグルーヴを獲得した。ふたりがとある時期から試行錯誤していた空間の表現が結実した手応えも感じさせる。それは新型コロナウイルスのパンデミック期間に活動を開始し、ライブ活動を積極化させながら地元・札幌を中心とした音楽コミュニティの中で身近な他者との関係性を深めながら、いくつもの現場を経験してきたことと無縁ではないだろう。約8分という時間に、無数の夜の重さと高揚の断片が溶け込み、ひとつの世界を作り上げているような楽曲だと思う。
共同プロデュースに参加している網守将平、エンジニア葛西敏彦とのサウンドワークで紡がれた現行の海外のテクノシーン、ポップミュージックシーン、FOOTWORK/JUKEなどとの同時性などサウンド特性、新たなスタンダードの兆しを持ちつつ、多種多様な音楽から受け取った数多のアイデアをジャンルから一度切り離し、LAUSBUBのものとして昇華し、仮初のラベルを剥がした先で、新たに何者かになろうとするアーティストとしての強い意思が「golden lighter」にはある。これまでのLAUSBUBを再生産するのではなく、自らの感覚を、自らの存在そのものを世に直接問いかけることを恐れない勇気が、「golden lighter」の出し惜しみのなさから感じられる。
間違いなく今、LAUSBUBは第二のターニングポイントを迎えている。この先彼女たちはどこへ向かっていくのか、「golden lighter」に詰め込まれた可能性がふたりの歩みを静かに照らし出している。
■リリース情報
LAUSBUB
「golden lighter」
配信リンク:https://LAUSBUB.lnk.to/goldenlighter
■関連リンク
公式サイト:https://lausbub.jp/
公式YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@LAUSBUB
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