BUCK∞TICK、培ってきた自由度とスケールの“集大成” 『スブロサ SUBROSA』の凄みを最大限に放った武道館公演

BUCK∞TICK『ナイショの薔薇の下』レポ

歩んできた歴史を感じさせるアンコールに大歓声

 シュルレアリスムな映像を合わせたインストゥルメンタルの「神経質な階段」を経て、星野の歌う「プシュケー - PSYCHE -」へ。さらに今井が「見えるか? 天使がラッパを吹いているぜ」と言った「ガブリエルのラッパ」で、今井はSex Pistols時代のジョン・ライドン(ジョニー・ロットン)さながらにマイクを握ってしゃがみながら歌った。「3000年後の荒野で会おうぜ!」と前振りをした「黄昏のハウリング」では、力強いドラムに自在なギターソロで彩る重厚なサウンドがバンドの底力を感じさせた。これがBUCK∞TICKだ。それ以外の言葉が浮かばない、ドラマチックな本編のラストだった。

 ロボ声によるメンバー紹介に続き、赤いTシャツを着たヤガミのドラムソロでアンコールがスタート。そしてメンバーが揃うと今井が「さあ始めよう、新しいロックンロール!」と呼びかけ最新シングル曲「渋谷ハリアッパ!」で踊らせる。途中で「武道館!」「東京!」などと叫んでいた星野は、その熱のままに「風のプロローグ」をドラマチックに歌い上げた。「中指を尖らせろ、尖らせたら突き上げろ!」と今井が呼びかけた「TIKI TIKI BOOM」では2台のギターがパンキッシュに重なった。

BUCK∞TICK ライブ写真
樋口豊

 ここまでの18曲は『スブロサ SUBROSA』と、その後のシングル曲だけ。先ほど書いた集大成は、ここで完成したと言っていいだろう。ある意味、この先が本当の意味でのアンコールだったかとも思う。今井がギターを弾きながら鼻歌のように歌い出したのは「Baby, I want you.」で、大きな歓声が沸き起こった。本編楽曲とは比にならないほど演奏されてきた曲がバンドを解き放ち、オーディエンスの心を揺らした。「じゃあもう1曲やるから、みんなで楽しもうぜ、全国のベイビーズ!」ーーこう言って今井が鳴らした「スピード」のイントロに一段と大きな歓声が起こり、今井と星野が歌いつないでいく。新たなBUCK∞TICKとなって2年だが、彼らには約40年の歴史がある。重なり合う2つのBUCK∞TICKが見えてきた。

 曲が終わると今井は「気持ちいい乾杯がこれでできます。自分の信じた道をまっすぐに突き進んでください。また会いましょう」と締め、星野は「来年もいい年にしましょう、おやすみ」と挨拶。ヤガミは最年長らしく「ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。武道館44回目だそうで、これからも“Ing”で行きますんで、よろしくお願いします。また会いましょう」と手を振った。そして樋口が「去年の武道館から1年間全国でたくさんのパワーをもらいました。感謝します。来年も一生懸命やりますので応援してください。また会いましょう」と直筆のサインと武道館を描いたタオルを振って見せた。温かい4人の言葉がライブの余韻をさらに温めてくれるようだった。

BUCK∞TICK ライブ写真
ヤガミ・トール

 この後に映像で、2026年には新作レコーディング、また6月16日に東京・SGC HALL ARIAKEでワンマンライブ、6月27日よりファンクラブ「FISH TANK」の30周年記念ツアーを行い、2026年12月29日には、この日本武道館での再会を予定していることが告知された。BUCK∞TICKの未来はまだまだ続く。

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