氷川きよし、森山直太朗、DOMOTO……『THE FIRST TAKE』で再発見されるベテランならではの歌唱力
森山直太朗の「さくら」は、ピアノ1本をバックに歌い上げた「さくら(独唱)」のMVが有名だ。『THE FIRST TAKE』では前半をアカペラで歌唱し、まるで物語を語るように淡々と、しかし思いを込めた情感たっぷりのエモーショナルさが溢れていた。後半はギターをつま弾きながら歌い、遠くの旧友へ届けと言わんばかりの広がりが胸を打った。『THE FIRST TAKE』の原点を思い起こさせる、ライブ感満載のパフォーマンスが注目を集めた。
DOMOTOが同チャンネルで披露した「愛のかたまり」は、DOMOTO名義になって初のデジタルシングル。2001年にKinKi Kidsとしてリリースした楽曲のセルフカバーだ。音楽番組『LOVE LOVE あいしてる』『堂本兄弟』(ともにフジテレビ系)で培った経験を糧に、音楽アーティストとして幅広く認知されるにいたった時期の楽曲であり、2人の転機となった楽曲の1つだ。作詞を堂本剛、作曲を堂本光一が担当した楽曲をDOMOTOとしての再始動の1曲目に選んだところからは、さまざまな思いが感じられる。
年月を経ても変わらない愛と、その日々の尊さを歌った同曲。印象的なメロディを奏でるピアノのイントロに続いて、情感たっぷりに色気のある歌声を披露した2人。サビのハーモニーは、切ない雪の情景が目の前に広がるようだ。発表から約25年を経て、楽曲の持つ意味合いがより説得力を増している。
今年はほかにも、米米CLUB「浪漫飛行」、ORANGE RANGE「イケナイ太陽」、m-flo「come again」などが話題を集めた。名曲の魅力“再発見”の場となっている『THE FIRST TAKE』。2026年もどんなアーティストが登場するのか楽しみだ。