IMP.はなぜ野心を燃やし続けるのか 2026年に向けての狼煙『MAGenter』完成――挑戦の日々を語り合う

 IMP.が2ndアルバム『MAGenter』を完成させた。グループカラーであるマゼンタピンクに、さまざまな思いを重ねて名付けられたこのアルバムは、前作である1stアルバム『DEPARTURE』以降挑戦を重ねてきた日々の集大成であり、2026年1月から始まる初のアリーナツアーに向けての狼煙だ。大躍進を遂げた2024年を経て、今年に入ってからはホールツアーに7人での主演舞台『IMPACT』、さらにはメンバー個々でのドラマや映画出演など活躍の場は広がった。音楽の面でも出る曲出る曲野心的で、その世界はどんどん大きく、深遠なものになってきている。メンバー7人にここまでの手応え、そしてアルバムに込めたものを語ってもらった。(小川智宏)

主演舞台、ホールツアー――「『まだまだ!』というのが正直なところ」

――IMP.は今年もさまざまな挑戦をしてました。結成から3年目に入りましたが、ここまでの自分たちの活動に対してはどんなことを感じていますか?

基俊介(以下、基):正直なところ、満足してないっていうのがあるかな。

横原悠毅(以下、横原):そうだね。

基:初のホールツアーだったり、7人での主演舞台だったり、いろいろなことを経験させていただいたんですが、誰もそれで満足していないというか。「まだまだ!」というのが正直なところですね。

影山拓也(以下、影山):いい意味で、もっとやりたいという感じです。

――年明けからやったツアー『IMPERIAL LIVE TOUR 2025』は、全国のPINKY.(ファンの呼称)の皆さんに直接会いに行くという機会でしたけど、どんな経験になりましたか?

椿泰我(以下、椿):18地方、31公演をやらせていただいて。土地によって盛り上がり方というか、熱量の入り方も本当に違ったし、公演を重ねるごとにどんどん一体感が生まれて、成長を実感できました。3月の『to HEROes ~TOBE 2nd Super Live~』を経てツアーに戻ったら、そこにはまた一味違うものがあったし、ツアーのなかで変化があったのはすごく面白かったですね。いい経験をさせていただいたなと思います。

――ライブを重ねるごとにIMP.ならではのステージングのやり方も見つけていったと思いますが、現時点でIMP.のライブの強みはどんなところにあると思っていますか?

松井奏(以下、松井):やっぱりギャップというか。1時間半から2時間をかけて、ライブを通していろいろな顔を見せられるのがIMP.の強みかなと思います。クールに踊るのもIMP.らしいですし、ファンの方とたくさんコミュニケーションを取って楽しくわちゃわちゃするのもIMP.ですし、ちょっと色っぽく踊ったりするのもIMP.ですし。そういうものがぎゅっと詰まったエンターテインメントができるのがIMP.なので。今後もそうやって、いろいろな顔を見せられるコンサートを作りたいなと思っていますね。

IMP. – IMPERIAL LIVE TOUR 2025 (Live Blu-ray / 本編Digest Movie)

――7人それぞれ強い個性を持ったメンバーが集まったグループですけど、活動してくるなかで、よりその個性が際立つ場面も増えてきた印象があります。

影山:今年は個々の仕事で、その人の色というものを出せたんじゃないかなって、すごく感じています。舞台だったり、映像作品だったり、バラエティだったり、横原がポーカーの大会に出たりだとか。

松井:そうだね。

影山:今少しずつ一人ひとりのキャラクターが色づいてきたんじゃないかな、って。IMP.のことを知らない人が見ても、「この人はあの番組に出てる子か」っていうふうにわかるような活動をもっともっとしていきたいですね。

――それぞれがそれぞれのフィールドで活躍することで、グループの成長にフィードバックされている部分もあるんじゃないですか?

影山:そうですね。今は段階だと思ってるので、これを長く続けていきたいですね。グループとしての活動も大事ですけど、個人のお仕事でもっともっと色を強く出していってもいいんじゃないかなっていうのはありますね。

――お互いの仕事について感想を伝え合ったりもするんですか?

基:奏の出ていたドラマ『熱愛プリンス』(MBS)をみんなで一緒にリアタイしたりしてましたからね。

影山:楽屋で観たりしてたよね(笑)。

――メンバーの活躍から受ける刺激もありますよね。

椿:メンバーにあそこまで王道の王子さま的なキャラクターができるメンバーがいるというのも心強いなって感じました。

基:キラキラしてたよね。

椿:ちょうどツアー期間中っていうのもあって、本人は「恥ずかしい」って言ってましたけど(笑)、みんなでリアルタイムで観てましたね。

佐藤新

――7人で主演した舞台『IMPACT』はどうでしたか?

基:ライブ活動とかバラエティとかに加えて、7人で主演舞台をやるっていうのは、僕らのカラーになり得るものだなと思っていて。滝沢(秀明)社長が総合プロデュースをしてくださった作品でもあって、それこそ演じたキャラクター各々にその人の特徴が入っているような気がして。ユニット曲もあったし、ファンの方はもちろん、初めて観にきてくださったお客さんにもIMP.のよさを知ってもらえる、とてもありがたい機会だったなと思ってますね。回数を重ねていって、ライブビューイングまでやらせていただいて、ひとつの手応えは感じられました。

影山:そうだね。

基:でも、これで終わりじゃなくて、じゃあ次どうするのか――。期待値をさらに上回っていかなきゃいけないと思うし、やるからには成長した姿を見せなきゃいけないと思うので。手応えと課題が同時に感じられる作品になりました。

――IMP.が看板を背負って立つ舞台でしたし。

基:タイトルからして『IMPACT』ですからね。

――音楽的にも1stアルバム『DEPARTURE』のあと、楽曲がどんどん進化して、ディープになってきていますよね。

松井:本当にいろいろなジャンルの曲にチャレンジさせていただいていて。レコーディングは別々でやるので、あとから完成形を聴く形になるんですけど、ほかのメンバーの声を聴いて「こういう声の出し方をするんだ」ってドキッとしたりもするので。メンバーから刺激を受けることも多々ありますね。

――アルバム以降出てきた曲を聴かせていただいていると、「この作品をシングルで切るんだ!」というような衝撃を受ける曲がどんどん増えてきていて。それだけ攻めの姿勢で音楽に向き合えているっていうのもすごくいいですよね。単純に難しい曲が増えていると思うし。

影山:難しいですね。『MAGenter』も幅広いジャンルから楽曲を取り入れていて。今までは熱量だったりテンションや気持ちの部分をぶつける楽曲が多かったんですけど、今回はテクニックも必要でした。一曲に対して、みんなそれぞれが長い時間をかけてレコーディングさせてもらいました。僕はいつもレコーディングに行く時は「こういうプランで行こう」っていうのを何個か考えて歌うんですけど、今回は逆にノープランでいって。前の人がどういう歌い方しているのかを聴いたうえで、「だったらこっちのほうがいいな」って考えて歌っていました。自分の新しい引き出しが増えたなと感じましたね。

基俊介

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