堂本光一は一流のエンターテイナーだーー現実を生きる力になる“夢の時間”、『RAISE』で魅せた至高のショー

堂本光一、『RAISE』で魅せた至高のショー

 堂本光一がアルバム『RAISE』を携え、4年ぶりのツアー『KOICHI DOMOTO LIVE TOUR 2025 RAISE』を開催中。本稿では、横浜アリーナ3DAYS公演の1公演目をレポートする。

新たな幕開けを告げる『RAISE』、コロナ禍でも止まらなかった表現者の歩み

 ストリングスチームを含む生バンドと12人のダンサーという大所帯のチームを率い、座長である堂本が繰り広げる最新のエンターテインメントショーの軸は最新アルバム『RAISE』だ。アルバムタイトルには「気持ちを高める」「盛り上げる」といった意味があり、アルバムコンセプトは“A New Step Forward”(新たな一歩)。アルバムのオープニングを飾る「The beginning of the world」が象徴的であり、MVと同様、マントのような衣装に深くフードを被った堂本が登場。オペラのようなコーラスが響き、ミュージカルのようなテイストの強い楽曲に乗せて、〈自分を賭けた all my soul/限界はとっくに過ぎ去った/たとえ踏み躙られようとも/夢を絶対諦めないから〉〈だから行くよ/もっと先へ/まだ見ぬ未来/掴むまで〉という宣言を歌った。

 コロナ禍でエンターテインメントシーンは大きな打撃を受けたが、堂本は決して歩を止めなかった。2021年に開催した前回のツアー『KOICHI DOMOTO LIVE TOUR 2021 PLAYFUL』は座席数の制限、オーディエンスの声出しはNGという中で行われ、自らが作・構成・演出・主演を務める舞台『SHOCK』はソーシャルディスタンスを配慮したスピンオフ作品『Endless SHOCK -Eternal-』として上演するなど、エンタメの炎を燃やし続けた。コロナ禍の制限が解けた今、「新たなスタートを切る」という想いを込めた「The beginning of the world」を筆頭に、『RAISE』ではとても力強くドラマティックでエンターテインメント性の高い楽曲が並ぶ。

『KOICHI DOMOTO LIVE TOUR 2025 RAISE』

 FCの生配信の際に「ライブでやってほしい」というコメントがあったという「ホテル・ミラージュ」。アップテンポでリズムカルで妖艶さを宿したサウンドに、堂本はテンポ良く言葉を乗せていく。〈砂漠の風が囁いた/陽炎の先を目指すんだ〉というフレーズから始まり、ルーレットやシャンパンが登場するホテル・ミラージュはラスベガスのどこかのホテルのことだろうか。バンジョーのような楽器の音も聴こえ、オリエンタルなムードを高めていった。

 巨大なLEDビジョンにミラーボールの映像が映る中で披露されたのは、ミュージカルテイストが強い「Winner」。〈もう何があっても 諦めはしない/この胸が 強く高鳴る/憧れた 栄光の日々を/掴むのさ この手で〉というメッセージを歌う堂本はさながらミュージカルの不屈な主人公のようだ。きらびやかな衣装に身を包んだ女性ダンサーとともにキャバレーのようなムードで届けられた「Night & Bye」を披露した後、堂本はにこやかな表情で「随分と不思議な18禁な感じだったと思うんですけど」と満足げな様子だった。

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